分子生物学: scMNase-seq法を使って明らかになったヌクレオソームポジショニングの状況と | Just One of Those Things

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Let's call the whole thing off

題名が途中で切れていますが、どうにもおさまらないので、このままとします。どれをとっても、もともと長いのです。

 

前回に引き続き、2018年度の42号目のネイチャーのハイライトより。

 

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分子生物学: scMNase-seq法を使って明らかになったヌクレオソームポジショニングの状況とクロマチンへの到達性
Nature 562, 7726
2018年10月11日   

ヌクレオソームはゲノム中にランダムに配置されているのではなく、特定の位置を占めていて、このような配置はDNAへの調節因子の到達に重要であると考えられている。今回K Zhaoたちは、単一細胞でのヌクレオソームのポジショニング(位置取り)とクロマチンへの到達可能性をゲノム規模で明らかにできる単一細胞MNアーゼ塩基配列解読法(scMNase-seq)を開発し、細胞集団内でのヌクレオソームの構成の不均一性について調べた。この方法をNIH3T3細胞、マウス胚性幹細胞および初代T細胞に適用したところ、調節領域周辺でのヌクレオソームポジショニングの細胞間のばらつきやヌクレオソームの間隔に関して、さまざまな知見が得られた。

Letter p.281
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本論文においては、日本語版の本誌では「分子生物学:ミクロコッカスヌクレアーゼを使った単一細胞塩基配列解読によって明らかになったヌクレオソーム構成の原則」と題されています。

 

フルテキストを直訳しますと・・・

 

単細胞ミクロコッカスヌクレアーゼ配列決定により明らかにされたヌクレオソーム構成の原理
 

となり、Abstractを直訳しますと・・・

 

ヌクレオソームポジショニングは、クロマチンのアクセス可能性にとって重要であり、細胞[1,2,3]の遺伝子発現プログラムと関連付けられています。以前のヌクレオソームマッピング法は、細胞集団からプロファイルを組み立てて細胞平均パターンを明らかにします。ヌクレオソームは、活性遺伝子の転写開始部位[3,4,5,6]およびDNase I過敏部位[7]を囲むように配置され、フェーズドアレイを形成します。しかし、均一な細胞集団でも、細胞は活性シグナル伝達に反応して発現の不均一性を示します[8,9]、これはクロマチンの接近性の不均一性に関連している可能性があります[10,11,12]。ここでは、単一細胞におけるゲノムワイドヌクレオソームポジショニングとクロマチン接近性を同時に測定するために使用することができる、単一細胞ミクロコッカスヌクレアーゼシークエンシング(scMNase-seq)と呼ばれる技術を報告する。 NIH3T3細胞、マウス初代ナイーブCD4 T細胞、およびマウス胚性幹細胞へのscMNase-seqの適用は、ヌクレオソーム組織化の2つの原理を明らかにした。異なる細胞にわたって、しかしヌクレオソームアレイに沿って非常に均一に間隔をあけられている。第二に、活性遺伝子の転写開始部位およびDNase I過敏部位を囲むヌクレオソームは、異なる細胞にわたってポジショニングにほとんど変動を示さないが、ヌクレオソームアレイに沿って比較的不均一に間隔を置いている。本発明者らは、DNase I過敏部位におけるヌクレオソーム間隔の二峰性分布を見出した。これは、接近不能な接近可能な状態に対応し、ヌクレオソームの変動および細胞間の接近可能性の変動と関連している。ヌクレオソームの変動は、細胞全体にわたってよりも単一細胞内において小さく、そして細胞型全体にわたってよりも同じ細胞型内において小さい。ナイーブCD4T細胞およびマウス胚性幹細胞の大部分は、それぞれの分化系統において検出されたデノボエンハンサーにおいて枯渇したヌクレオソーム占有率を示し、未分化細胞集団における特定の系統への分化のためのプライミング細胞の存在を明らかにする。
 

フルテキストは下記です。詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。

 

Full Text:Letter p.281

Principles of nucleosome organization revealed by single-cell micrococcal nuclease sequencing

 

CD4 - Wikipedia

 

 

究極に溜まりに溜まったネイチャー。次回は、「構造生物学: MBOATの1つの構造」を取り上げます。

 

 

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