新種オランウータンに危機 生息地でダム建設計画 インドネシア~中国資本でダム建設 | Just One of Those Things

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科学オタクの主婦が危機感から一人でこねまくっております、危機管理シリーズ。
 

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新種オランウータンに危機 生息地でダム建設計画 インドネシア
2019年3月4日 23時00分 NHK
 

 
インドネシアのスマトラ島では、新種のオランウータンが生息する森でダムの建設計画が進んでおり、環境保護グループが建設の中止を求めましたが、地元の裁判所はダムの建設を許可する判断を示しました。希少なオランウータンの保護をめぐる議論が過熱することが予想されます。
 
スマトラ島北部の森ではおととし、ヒトに近い大型の霊長類ではおよそ90年ぶりの発見となる、新種のオランウータン「タパヌリオランウータン」が見つかりました。
 
しかし、この森ではインドネシアと中国の合弁企業によるダムの建設計画が進んでおり、インドネシア最大の環境保護グループは、タパヌリオランウータンが絶滅する可能性があるとして、ダムの建設を許可しないよう州の裁判所に申し立てていました。
 
これに対して裁判所は4日、環境保護グループの主張を退け、ダムの建設を許可する判断を示したということです。
 
環境保護グループはこれを不服として、あらゆる法的措置を取る考えを示していて、希少なオランウータンの保護をめぐる議論が、過熱することが予想されます。
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何のためのダム建設なのか?危機管理は出来ているのか知りたいところですが・・・。

 

詳細は、ニューズウィーク日本版で報道されていました。

 

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インドネシア、新種オランウータン生息地に中国資本でダム建設
2019年3月6日(水) 20:45配信 ニューズウィーク日本版

2017年に発見されたオランウータンが中国との合弁事業で絶滅の危機に
 
インドネシア・スマトラ島北スマトラ州のメダンにある州裁判所は3月4日、南タパヌリ州で建設計画が進んでいる「バタントルダム」に対して国内最大の環境保護団体などが求めていた建設中止の訴えを却下する判断を下した。ダム建設が計画されている地域では2017年に新種のオランウータンが見つかり「タパヌリ・オランウータン」と命名されて、保護の必要性が早くから課題となっていた
 
ところが地元住民への詳しい説明もないまま、中国銀行など外国金融機関による資金援助を受けたインドネシア企業と中国企業による合弁のダム建設計画が明らかになった。建設予定地が地震発生の可能性のある地盤構造であることに加えて、個体数が800頭と絶滅の危機に瀕している大型類人猿の生息地域に近いこともあり、インドネシアの環境保護団体「ワルヒ」が国際社会の支援も受けて、今年初めにダム建設中止を裁判所に訴えていた。
 
裁判所は4日、「バタントルダムの建設計画に関してはすべての必要な書類が用意・承認されており、許認可関係もクリアされている。従って建設を中止する根拠はない」とワルヒの建設中止の訴えを却下した理由を明らかにしている。
 
さらに、地震の可能性がある地盤構造に関しては「そうした地下構造の上に構造物を建築することを禁じる法律はない」との判断理由を示した。
 
■環境破壊は最小限と裁判所、政府は主張
 
肝心の「タパヌリ・オランウータン」の生息環境(エコシステム)へダム建設が与える影響に関しては「ダム建設はラン・フォー・リバー方式(流し込み方式)を採用するなど、建設予定地の周辺環境には特段の配慮がなされ、オランウータンの生息地への影響もワルヒが訴えるほど深刻とは言えない」との判断で却下したことを明らかにした。
 
これに対しワルヒ・北スマトラ支部のダナ・プルマ・タリガン支部長は「今回の州裁の判断は環境に対する公平性や正義をまったく反映していない。従ってさらに上級の裁判所に訴えることに加えて、ありとあらゆる法的手段で反対を訴えることを検討している」と地元紙に話し、さらなる反対運動の展開に向けた決意を表明している。
 
88年ぶりの新種発見
 
今回のダム建設でそのエコシステムへの深刻な影響が懸念されている「タパヌリ・オランウータン」は、米科学誌「カレント・バイオロジー」にスイス、英国、インドネシアなどの国際チームの研究者が2017年11月2日に発表した研究成果で生息が確認された新種のオランウータン。
 
それまでは同じスマトラ島の北部に生息する「スマトラ・オランウータン」とカリマンタン島(マレーシア名ボルネオ島)の「ボルネオ・オランウータン」の2種類が確認されていたが、DNA(遺伝子)や頭蓋骨、歯などからいずれの種にも属さない「新種」として88年ぶりに確認され、世界的なニュースとなった。
 
個体数が約800頭と推定されていることや生息地周辺での開発の動きなどから、発見直後から環境保全と新種の保護が喫緊の課題とされてきた。
 
■政府は建設に前向き、大統領は静観
 
こうした「タパヌリ・オランウータン」保護の訴えに対してインドネシアの環境行政を司る環境森林省の担当者は「ダム建設による環境への影響は最小限に留まり、オランウータンのエコシステムへの懸念もあまりないことは独自の調査と情報収集で確認している」と建設には反対せず、ワルヒの主張には否定的だ。
 
環境保護団体や自然分野の研究者らが「ダム建設の見直し」を訴える書簡をジョコ・ウィドド大統領に対して2018年に2回送付したとしているが、これまでのところこの問題で大統領が指導力を発揮した形跡はないという。
 
地元紙の報道などによると、今回の「バタントルダム」建設計画では、中国銀行など中国の金融機関が資金面をサポートし、中国水力発電会社が計画、設計を担当、インドネシア企業が建設を請け負うという。
 
総工費は約15億ドル(約1650億円)で2020年に510メガワット規模の水力発電ダムの完成を目指しているという。ダム建設は北スマトラの電力需要に応えるためとしているが、裁判の公判で法廷に立った地元住民の代表は「これまでダム建設計画に関してなんの説明も地元にはない」と不満を表明しており、環境問題に加えて今後は地元住民との交渉も争点になる可能性がある。
 
計画ではダムと水力発電所の建設に67.7ヘクタールの土地が開発されるものの、貯水池を作らずに川の水を直接発電所に取り込む方式を採用するため、上流に水没地域はほとんど発生しないと説明している。
 
しかしワルヒは、ダム、発電所以外に付属施設やそこに至る道路やトンネルなどのインフラ整備のために600ヘクタールが必要で、それが森林などの環境破壊を招き、結果として「タパヌリ・オランウータン」のエコシステムに深刻な影響を与えることになる、と主張している。
 
環境保護団体、学者や研究者などの学識経験者、そして国際社会も熱い視線を注いでいる新種のオランウータンの保護問題は、電力不足に悩むインドネシアのエネルギー問題とも関連し、さらに中国企業との契約問題もあり、今後、政府、ジョコ・ウィドド大統領は難しい判断を迫られることになるのは確実だ。
 
大塚智彦
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水力発電のためのダム建設だそうで・・・。環境に影響が少ないとは言い切れないでしょう。人間の都合でどこでも水力発電用のダムを作っていいわけではないです。

 

地震の可能性がある地盤構造であることが初めからわかっているのなら、安全に運用できるか、尚更調査や検討が必要でしょう。

 

なんでしょうね。この無知な身勝手さは。

 

 

※7日は急遽、市の生活福祉委員会付託事件審査(市議会)の視聴に行ってきて、疲れで爆睡したのもあって、ブログ活動が大変遅れており、申し訳ございません。
 

 

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