昨日に引き続き、33号目のネイチャーのハイライトより。
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寄生虫学: 内臓リーシュマニア症の新しい治療選択肢
Nature 560, 7717
2018年8月9日
寄生虫学: 内臓リーシュマニア症の新しい治療選択肢
Nature 560, 7717
2018年8月9日
I Gilbertたちは今回、内臓リーシュマニア症の治療薬候補となる一連の化合物群を発見し、さらにcdc2関連キナーゼ(CRK12)がこの疾患での重要な薬剤標的らしいことを明らかにしている。
Article p.192
News & Views p.171
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■リーシュマニア症 - 13. 感染性疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
■リーシュマニア症 - 16. 感染症 - MSDマニュアル家庭版
(おまけ:武田薬品とDNDiによる内臓リーシュマニア症の画期的な治療薬開発のための提携について/武田薬品とスイスのDNDi、内臓リーシュマニア症の革新的な治療薬開発で提携 ―日本経済新聞(2018年4月5日))
cdc2関連キナーゼ(CRK12)そのものについての情報はありません。cdc2関連キナーゼ(CRK12)に関わる英文の論文ばかり出てきます。んー。
寄生虫学より、リーシュマニア症の薬剤候補とその標的がわかりました。
顧みられない熱帯病のリーシュマニア症には、より優れた治療法が必要であります。今回マウスで、リーシュマニア症に有効な化合物が開発されるとともに、この化合物が標的にするタンパク質が特定され、治療法の改善に向けて一歩前進しました。
この論文はネイチャーのニュースにも取り上げられました。
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寄生虫学:サイクリン依存性キナーゼ12は内臓リーシュマニア症の薬剤標的である
Nature 560, 7717 | Published: 2018年8月9日 |
寄生虫学:サイクリン依存性キナーゼ12は内臓リーシュマニア症の薬剤標的である
Nature 560, 7717 | Published: 2018年8月9日 |
内臓リーシュマニア症が原因の死亡者とこの疾患の罹患者は世界各地で相当数に及んでおり、この疾患に対する新規で有効な治療薬の開発が緊急に必要とされている。今回我々は、ピラゾロピリミジン骨格を基盤とする一連の抗リーシュマニア症ドラッグライク化合物群の開発について報告する。この化合物群のリード化合物(化合物7;DDD853651/GSK3186899)は、内臓リーシュマニア症のマウスモデルで有効であり、物理化学的、薬物動態学的および毒物学的な性質もさらなる開発に適していて、前臨床候補薬であることが明らかになっている。作用様式の詳細な研究から、この群の化合物が主に寄生原虫のcdc2関連キナーゼ12(CRK12)の阻害によって作用を発揮することが示され、従って内臓リーシュマニア症のドラッガブルな標的が明確になった。
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(アフリカ36カ国で流行する風土病で、約1,080万人が中高程度の感染のリスクに晒されているそうで・・・。リーシュマニア症は貧困と密接に関連する疾患で、治療しなければ死に至るのが内臓リーシュマニア症です。)
(上記は骨格となるものです)
(ピラゾロピリミジン骨格に関するものが記載されています)
んー。参考となる情報がないです。(苦笑)
溜まりに溜まった恒例のネイチャー。次回は、免疫学より、 NLRP3インフラマソームの活性化はミトコンドリアDNA合成に依存する 、を取り上げます。
※多忙につき、相変わらずブログでの対応が遅れていますことを、心からお詫び申し上げます。(参考:おしらせ:その後の我が家のニャンコについて)