物性物理学: 分数熱ホールコンダクタンスを観測 | Just One of Those Things

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Let's call the whole thing off

29号目のネイチャーのハイライトより。

 

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物性物理学: 分数熱ホールコンダクタンスを観測
Nature 559, 7713
2018年7月12日 

二次元系では、電子の相互作用によって、電荷が電子の電荷のちょうど分数値となる新しいタイプの準粒子によって記述できる集団状態が形成される可能性がある。電気コンダクタンスに関連する分数準粒子は数十年前から研究されているが、熱コンダクタンスに関連した分数状態も存在すると予測されており、トポロジカル量子計算の基礎となる統計である非アーベル統計を示す特異な性質を持つ可能性がある。今回M Heiblumたちは、熱ホールコンダクタンスの分数値を観測し、非アーベル的な性質を示すと思われる状態の実験的証拠を提示している。

Article p.205
News & Views p.189
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合成抵抗の求め方(計算方法)(コンダクタンス)
 
んー。ない。これしかないです。発見だから仕方がないですよね・・・(苦笑)
 
 
下記で出てくるマヨラナフェルミオンですが、Wikipediaでは同じと書いてありますが、日本物理学会のやつの見解では違うようです・・・。んー。
 
1937年,Majorana(マヨラナ)によって, 電気的に中性な素粒子を記述する新しいフ ェルミオンが導入された.のちにマヨラナ フェルミオンと命名されたそのフェルミオ ンは,複素数の場で表される通常のディラ ックフェルミオンと異なり,実数の場で表 すことができ,そのため自分自身が反粒子 であるという特徴をもつ.ニュートリノが マヨラナフェルミオンであると期待されて いるが現時点では直接的な実験的証拠は見 つかっていない.ところが,最近,超伝導 体の励起状態としてマヨラナフェルミオン が実現される可能性が議論され,実際に実 験によってその証拠が報告されはじめている。
 
と、なるほど・・・・。
 
 
物性物理学より、熱にも関わっていたマヨラナフェルミオンであることがわかりました。
 
マヨラナフェルミオンと呼ばれるエキゾチック粒子には、量子コンピューティングに応用できる可能性がありますが、その存在はまだ明確には確認されていません。今回、2つのグループが、こうした粒子の存在を示す証拠を見いだました。
 
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物性物理学:半整数熱ホールコンダクタンスの観測
Nature 559, 7713 |  Published: 2018年7月12日 |

物質のトポロジカル状態は、トポロジカル不変量によって特徴付けられる。トポロジカル不変量は、その値が量子化され、系の詳細(形状、サイズ、不純物など)に依存しない物理量である。トポロジカル不変量の中で、最も簡単に調べられるのは電気ホールコンダクタンスである。電気ホールコンダクタンスが、e2/h(eは電子電荷、hはプランク定数)を単位として分数値をとれば、分数電荷とエニオン的統計を有する準粒子を伴うトポロジカル秩序状態であることが立証される。また別のトポロジカル不変量である熱ホールコンダクタンスは、測定が難しい。量子化された熱ホールコンダクタンスについては、κ0(κ0 = π2kB2/(3h)、kBはボルツマン定数)を単位として分数値をとれば、物質状態が非アーベル的であることが立証される。このような非アーベル状態は基底状態の縮退をもたらし、組紐状態になるとトポロジカルユニタリ変換を実行する。これはトポロジカル量子計算に役立つ。本論文では、第一励起ランダウ準位にある複数の量子ホール状態の熱ホールコンダクタンスの測定について報告する。我々は、5/2状態の熱ホールコンダクタンスが半整数値の2.5κ0と一致し、非アーベル的な性質を示すことを見いだした。
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(まぁ、ほんとにすごいですよねぇ・・・)
(電気ホールコンダクタンス)
トポロジカル量子コンピュータ概要(トポロジカルユニタリ変換)
 
まぁ、凄いことですが、こんなものでよろしいでしょうか。
 
ちなみに「材料科学:透過と遮断を切り替えられる酸化グラフェン膜を通る水輸送」と本論文で、証拠となるようです。
 
溜まりに溜まった恒例のネイチャー、次回は、細胞生物学より、溶解酵素のDYRK3は液相分離を解消させる、を取り上げます。
 
すみません、寝落ちします。
 
 
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