化学: 二重触媒法によるsp^3 C–Nアルキル化 | Just One of Those Things

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昨日に引き続き、27号目のネイチャーのハイライトより。

 

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化学: 二重触媒法によるsp^3 C–Nアルキル化
Nature 559, 7712
2018年7月5日

医薬品にはアミン類が多く、芳香族化合物を用いた炭素–窒素(C–N)結合形成にかなりの進歩が見られている。しかし、アルキル求電子剤をアミノ化する類似のC–N結合形成方法の開発はあまり進んでいない。今回D MacMillanたちは、アルキルカルボン酸と多種多様なアミン求核剤(医薬品業界における主要モチーフであるさまざまなヘテロ環や、アミド、スルホンアミドなど)のクロスカップリングについて報告している。この反応は、非常に温和な条件下で行われ、光と光レドックス触媒を用いてアルキルラジカルを生成させた後、銅触媒を用いて窒素化合物をカップリングさせる。窒素含有モチーフはありふれたものなので、例えば薬剤の誘導体化にこの反応を用いることで、複雑な分子を迅速に構築できる。

Letter p.83
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(「芳香族化合物を用いた炭素–窒素(C–N)結合形成」は上記しかないですねぇ・・・。)
(アルキルカルボン酸は商品としてはあるのですが、参考文献はありません)
塩化銅(I) - Wikipedia(銅触媒)
窒素 - 用途 - Weblio辞書(窒素化合物)
 
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化学:銅触媒と光レドックス触媒を用いる二重触媒作用による脱炭酸的sp^3 C–Nカップリング
Nature 559, 7712 |  Published: 2018年7月5日 | 
 
この30年間で、パラジウム、銅、ニッケルの触媒作用を用いるsp2 炭素–窒素(C–N)結合構築方法の開発が大きく進んだ。しかし、アルキル基質の導入によるsp^3 C–N結合の形成は、まだクロスカップリング化学分野における主要課題の1つである。今回我々は、銅触媒作用と光レドックス触媒作用を相乗的に組み合わせることで、この課題に取り組む一般的なプラットフォームが得られることを実証する。このクロスカップリング系では、カップリングパートナーとして自然界に豊富に存在するアルキルカルボン酸と市販の窒素求核剤を用いている。この系は、さまざまな第一級、第二級、第三級アルキルカルボン酸(ヨードニウムによる活性化を経る)と広範な窒素求核剤に適用でき、窒素ヘテロ環、アミド、スルホンアミド、アニリンのC–Nカップリングによって、室温において短い時間スケール(5分~1時間)でN-アルキル生成物を良好もしくは極めて優れた収率で生成できる。我々は、このC–Nカップリングプロトコルが、アミン基を複数有する基質を用いて高い位置選択性で進み、複雑な薬物分子にも適用できるため、複雑分子の高速構築や生物活性医薬品の合成終盤での官能基化が可能になることを実証する。
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複雑分子の高速構築や生物活性医薬品の合成終盤での官能基化が可能になるだけでなく、室温で早く生成できるのですね・・・。
 
溜まりに溜まった恒例のネイチャー、次回は、地球科学より、 侵食速度と寒冷な気候の関連性の再調査 、を取り上げます。
 
 
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