宇宙物理学: 磁気再結合の決定的証拠 | Just One of Those Things

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Let's call the whole thing off

昨日に引き続き、19号目のネイチャーのハイライトより。

 

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宇宙物理学: 磁気再結合の決定的証拠
Nature 557, 7704
2018年5月10日  

磁気再結合は、ねじれた磁力線がしばしば爆発的に再配置される現象である。理論的に「Xライン」から離れる方向に加速していると予想されているジェットが、新たに再結合した磁力線の位置を示す。地球の磁気圏などの乱流プラズマでは、この再結合がエネルギー散逸に重要な役割を果たしている可能性がある。再結合はまた、地球の磁気圏や太陽における基本過程であるとも考えられているが、予想されているジェットを示す証拠はなかった。今回T Phanたちは、太陽風が磁気圏の周りを緩く取り巻いている場所である地球の磁気シースを、高い時間分解能・空間分解能で観測した結果を報告している。彼らは、電子スケールの電流シートから放出される双方向性の電子ジェットを確認した。受け入れられている磁気再結合の描像とは異なり、このシートは、より広いイオンスケールの電流層を伴ってはおらず、イオンのジェットは見られなかった。

Letter p.202
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磁気リコネクション - Wikipedia (磁気再結合)
 
ん~、ちとマニアックですかね(笑) でもね、彼らは真面目に研究中なんです。
 
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宇宙物理学:地球の磁気圏シース乱流中でのイオンの運動を伴わない電子磁気再結合
Nature 557, 7704 |  Published: 2018年5月10日 |

電流シート中での磁気再結合は、磁気から粒子へのエネルギー変換過程であり、宇宙空間や実験室の多くのプラズマ系に基本的なものである。再結合の標準模型では、この過程は極めて小さなスケールの電子拡散領域で生じる。より大きなスケールでは、イオンは新しく再結合した磁力線に結合し、双方向性のイオンジェットの形で拡散領域からイオンアルヴェン速度で放出される。エネルギー変換の大部分は、拡散領域の下流で空間的に広がったイオンジェット内において生じる。多数の小規模な電流シートを含む乱流状態のプラズマ内では、再結合が乱流のエネルギーを運動論的なスケールで散逸するのに主要な役割を担っていると長らく示唆されてきた。しかし、小さなスケールの乱流プラズマにおける再結合のプラズマジェットに関する証拠は発見されていなかった。本論文では、地球の磁気圏シース領域(弧状衝撃波の下流側)の乱流において電子スケールの電流シートを観測し、その中にイオンアルヴェン速度を超える双方向性の電子ジェットの広がり、磁場に平行な電場、磁気から粒子へのエネルギー変換の増強を見いだしたことを報告する。再結合の標準模型に反して、電子スケールの電流シートは、より幅広いイオンスケールの電流層中に埋め込まれておらず、イオンジェットも検出されなかった。この電子ジェット現象と、似てはいるがイオン再結合の特性を持たない単方向の他の電子のジェット現象の観測から、イオン運動を伴わない形の磁気再結合によって、電子スケール電流シート中で乱流エネルギーの輸送と散逸が生じている可能性が明らかになった。
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イオン運動を伴わない形の磁気再結合によって、電子スケール電流シート中で乱流エネルギーの輸送と散逸が生じている・・・ですか・・・。これはこれは・・・。これだから、宇宙物理学は面白いというところです。
 
明日は、素粒子物理学を取り上げます。
 

 

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