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昨日に引き続き、Natureの今週号のハイライトより。

 

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神経科学: BRAF変異が脳疾患の原因となる
Nature 549, 7672 
2017年9月21日   


脳の免疫細胞であるミクログリアは、造血幹細胞(HSC)とは異なる卵黄嚢の赤血球骨髄系前駆細胞(EMP)から生じる。F Geissmannたちは今回、RAS–MEK–ERK経路を活性化するある変異型BRAFのモザイク発現は、HSCで起こると腫瘍の原因となるが、EMPで起こった場合には組織常在型マクロファージの増殖と遅発性の神経変性疾患を引き起こすことを示している。彼らはマウスモデルで、神経行動学的異常、アストログリオーシス、アミロイド前駆体タンパク質の沈着、シナプス消失および神経細胞死はERK活性型ミクログリアによって引き起こされるが、BRAFの阻害によって防げることを明らかにした。以上の結果は、ミクログリアにおけるMAPキナーゼ経路の活性化が、マウスで神経変性疾患の原因となり得ることを示している。これらの知見によって、今回研究されたBRAF変異のようなRAS–MEK–ERK経路の体細胞変異と関連した骨髄系細胞増殖性疾患である組織球増殖症の患者で神経変性疾患が見られることを説明できるかもしれない。


News & Views p.340
Letter p.389
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この論文は、Natureのニュースにも取り上げられました。

 

RAS–MEK–ERK経路の体細胞変異と関連した骨髄系細胞増殖性疾患である組織球増殖症の患者で神経変性疾患が見られることを説明できるようになるかもしれません。

 

今後の研究に期待しましょう。

 

 

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