最近のiPS細胞関連 | Just One of Those Things

Just One of Those Things

Let's call the whole thing off

ネパール大地震関連は本日は様子見をすることとして、本日は情報をためていたiPS細胞関連の情報をあげようと思います。


大阪大が治療用iPSで心筋細胞を作製し臨床応用へ入ることが報道されました。


----------------------------------------------------------
治療用iPSで心筋細胞を作製、阪大教授ら臨床応用へ
2015/3/15 1:30 日本経済新聞


 大阪大の澤芳樹教授らは、治療用に安全性と品質を高めたヒトiPS細胞から、8割の高い効率で心臓の筋肉の細胞を作ることに成功した。京都市で14日に開いたシンポジウムで明らかにした。重症心不全をiPS細胞を使って治す再生医療の実現に向けて前進した。


 作った心筋細胞の性質を詳しく調べ、2、3年後に計画する臨床応用の準備を急ぐ。


 ヒトiPS細胞は、京都大iPS細胞研究所(山中伸弥所長)が将来の再生医療向けに備蓄している「iPS細胞ストック」から提供を受けた。医薬品製造の基準を満たすよう厳重管理された環境で、がん化の可能性を限りなく小さくする手法で作られている。


 澤教授らは、これまでもヒトiPS細胞を同程度の効率で心筋細胞に変えているが、治療を前提に作ったiPS細胞ストックの細胞で実現したのは初めてという。

----------------------------------------------------------



おお、これはすごいと思いきや。


去る3月30日に富士フイルムが、iPS研究の米社を買収しました。


----------------------------------------------------------
「iPS発明国」の面目保つ富士フイルムの米社買収
編集委員 安藤淳


 富士フイルムホールディングスが3月30日に買収を発表した米セルラー・ダイナミクス・インターナショナル(CDI、ウィスコンシン州)は、iPS細胞製品のデファクト・スタンダード(事実上の標準)を握る可能性があると「再生医療業界」で注目されている存在だ。


山中伸弥京都大教授のライバルが創業者に名を連ね、高品質なiPS細胞製品を安定供給するため同社から細胞を調達する国内企業も多い。


「iPS細胞発明国」の日本だが、医療応用でCDIに後れを取り市場を握られる懸念もあった。

買収はその流れを変え、巻き返しの機会となる可能性がある。

----------------------------------------------------------


これを機に4月8日、iPS特許で米社と連携することを山中教授が表明しました。


----------------------------------------------------------
iPS特許で米社と連携 山中教授表明、臨床に弾み
2015/4/8 23:30 情報元 日本経済新聞 電子版


 京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授は8日、日本経済新聞の取材に応じ、富士フイルムホールディングス(HD)が買収する米ベンチャーとiPS細胞関連の有力特許の相互利用などを推進する考えを明らかにした。再生医療や創薬に適した高品質なiPS細胞などの安定供給につながり、臨床応用に弾みがつきそうだ。


 山中教授のiPS細胞作製に関する基本特許はiPSアカデミアジャパン(京都市)が管理している。一方、富士フイルムHDが3月30日に買収すると発表した米セルラー・ダイナミクス・インターナショナル(CDI、ウィスコンシン州)は、がんになりにくい安全なiPS細胞を作ったりiPS細胞から心臓の細胞を育てたりするための特許を幅広く保有する。


 富士フイルムHDは4月下旬以降にCDIを連結子会社にする予定だ。これを機に山中教授は、それぞれの特許を相互に利用できるようにするクロスライセンス契約の締結など、「これまで以上に深い協力ができると期待している」と話した。


 CDIは高品質なiPS細胞製品を供給できるのが強みで、世界中の研究機関が購入している。CDIは山中教授の特許の実施権をすでに得ている。今後、クロスライセンスなどが進み協力関係が深まれば、より優れたiPS細胞製品が世の中に普及する可能性が高まる。


 山中教授は「どの企業も安心してiPS細胞を使える状況にするのが、特許上の課題だ」と指摘した。両者の連携でiPS細胞製品の標準化が進めば、企業や大学が研究や臨床応用を進めやすくなるとみられる。


 iPS細胞の臨床研究では、理化学研究所などが目の難病患者を対象にした手術を昨年秋に実施した。心臓や神経の病気などでも臨床研究が計画されており、難病克服への期待が高まっている。

----------------------------------------------------------


その数日後、iPS移植で安全性高める薬開発も発表されています。


----------------------------------------------------------
<iPS細胞>安全な移植へ、腫瘍化防ぐ薬 産総研など開発
毎日新聞 4月10日(金)1時22分配信


 産業技術総合研究所(茨城県つくば市)と和光純薬工業(大阪市)のチームが、そのまま移植すると腫瘍化する可能性がある人工多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)を、移植用に作り出した細胞から取り除く薬を開発したと発表した。産総研の舘野浩章主任研究員は「再生医療に使う移植用細胞の純度を高めるために役立つ」と話す。


 あらゆる細胞に変化し、再生医療に役立つと期待されるiPS細胞とES細胞は、目的の細胞を作製する際、元のiPS、ES細胞が一部残ることがある。iPS細胞などが混ざったまま移植するとそれらが無秩序に増殖して腫瘍になる恐れがあるため、取り除く技術が求められていた。


 チームは、ヒトiPS、ES細胞の表面にある糖鎖に着目。この糖鎖と結合するたんぱく質と細胞を殺す毒素を組み合わせた薬を開発した。細胞を培養する際、培養液に薬を加えると、他の細胞に影響を与えることなく、約24時間で元のiPS、ES細胞をほぼ完全に死滅させることができたという。今月半ばからサンプルの配布を始め、7月から発売する予定。【相良美成】

----------------------------------------------------------


このことも大々的に報道されているのでご存知の方はいるかもしれません。


----------------------------------------------------------
iPS細胞 安全性高める新技術開発
4月10日 6時35分 NHK


あらゆる組織や臓器になることができるとされる「iPS細胞」は、腫瘍を作る可能性があり、臨床に応用する上で課題となっていますが、茨城県つくば市にある研究機関などのグループは、腫瘍を作るおそれのある細胞を効率よく取り除く技術を開発したと発表しました。


iPS細胞は、皮膚などの細胞に特殊な遺伝子を組み込んで、あらゆる組織や臓器になる性質を持たせたもので、再生医療への応用が期待される一方、がんなどの腫瘍を作る可能性も指摘されています。


つくば市の国立研究開発法人・産業技術総合研究所と化学メーカーの研究グループでは、特殊なタンパク質を開発し腫瘍を作るおそれのある細胞を効率よく取り除く技術を開発したと発表しました。

それによりますと、このタンパク質は、iPS細胞から特定の組織や臓器の細胞に変わったものと、変わらずに腫瘍になる可能性のある細胞を見分け、これを死滅させる働きがあるということです。


産業技術総合研究所の舘野浩章主任研究員は、「まずは試薬として活用し、将来は移植で使えるように研究を進めたい」と話していました。


この研究成果は10日、アメリカの科学誌のオンライン版にも掲載されたということです。

----------------------------------------------------------


そのまた数日後、武田薬品と京大がiPS細胞で共同研究へ入ることも報道されました。


----------------------------------------------------------
京大と武田薬品 iPS細胞で共同研究へ
日本テレビ系(NNN) 4月17日(金)18時48分配信


 京都大学と武田薬品がiPS細胞での大規模な共同研究を始めると発表した。


 京大のiPS細胞研究所と武田薬品は、今後10年間で、約10のプロジェクトを作り、心臓や肝臓の細胞を使った治療や難病の治療薬の開発を目指す。山中伸弥教授と武田薬品は、患者に新しい治療法や薬を届けたいという思いで一致したという。


 武田薬品は総額200億円を提供し、武田の湘南研究所で約100人が共同研究にあたる予定。なお、新しい発見の特許を武田薬品が独占するかどうかなど詳細は今後個別に検討するとしている。

----------------------------------------------------------


このことも大々的に報道されたのでご存知の方もいるかもしれません。


----------------------------------------------------------
武田薬品が京大とiPS細胞で共同研究 武田は10年で200億円負担
産経新聞 4月17日(金)19時22分配信


 京都大と武田薬品工業は17日、あらゆる組織細胞に分化して増やすことができる人工多能性幹細胞(iPS細胞)の共同研究を始めると発表した。創薬や再生医療への活用に向け、約10件のプロジェクトを立ち上げる。京大iPS細胞研究所の山中伸弥所長が総指揮を執り、武田は10年間で200億円を投じて産学連携で日本発の技術革新を目指す。


 共同研究は心不全や糖尿病、神経疾患、がん免疫治療法などを対象として想定する。患者から採取した細胞をiPS細胞で増やしたり、ほかの細胞に分化したりして新薬の効き目を試す創薬支援などがテーマとなる。また、個々の患者に最も効果のある薬剤を使う個別化医療や、疾患を防ぐ細胞を再生して患者に移植することで回復を目指す再生医療も研究する。


 京大と武田の研究員各50人が参加して約100人態勢で、主に武田の湘南研究所(神奈川県藤沢市)で実施。京大の基礎研究を基に、武田の持つ研究設備や薬の成分になる化合物の資産などを使ってiPS細胞の実用化を加速させる方針だ。


 山中所長は同日の記者会見で「個別化医療や難病への創薬を行うために連携は心強い」と述べた。武田のクリストフ・ウェバー社長は、「(連携で)創薬のあり方を変えることができる」と語った。

----------------------------------------------------------


10年で研究費200億円提供するとのことです。


よかったですね^^



そして、最新情報は、今秋からiPS提供で日本人20%カバーするというものです。


----------------------------------------------------------
今秋からiPS提供=ストック、日本人20%カバー―京大
時事通信 4月28日(火)20時29分配信


 さまざまな細胞になる能力を持つ人工多能性幹細胞(iPS細胞)をあらかじめ作っておき、移植などに使うストック計画で、京都大iPS細胞研究所(山中伸弥所長)は28日、今秋から臨床用iPS細胞の提供を開始すると発表した。


 同研究所は、日本人の約20%をカバーする免疫型を持つ人の血液からiPS細胞を作製。遺伝子変異の有無などの品質評価を実施した。今後は作製した細胞の選別を進め、さらに3~5カ月かけて品質評価を行った上で提供する。5年以内に日本人の30~50%をカバーできる細胞の作製を目指す。 

----------------------------------------------------------


ぜひ実現してもらいたいものですね^^


ペタしてね