天部 | Just One of Those Things

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Let's call the whole thing off

天とは、十界(じっかい)・六道(ろくどう)のひとつで、天上界を意味するとともに、そこに住む神々のことも総称するという二重の意味を持ちます。


この天上界に住む神々、即ち「天」は、そのほとんどすべてが元来、仏教成立以前の古代インドにおいて人々が信仰していた、バラモン教やヒンドゥー教の神々に起源を求めることができます。



即ち、仏教がインドにおいて、バラモン教やヒンドゥー教に代わって民衆に支持され信仰されていく際に、仏教は民衆に信仰されていたこれらの神々の崇拝を禁止したり排斥したるするのではなく、説法にて仏教に帰依させるといった形で、それらを仏教の中に包摂することで、これらを信仰する人々を仏教の信者として取り込んできました。


そこで、仏教はこれらの神々をすべて天上界に住まわせるとともに、一括して「天」の名称を与えました。


ゆえに天部に属する諸尊は、仏・菩薩に比べてはるかにその数を上回ることともなりました。