読書感想文:桜林美佐『軍産複合体―自衛隊と防衛産業のリアル』 | 倉山塾東北支部ブログ

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このブログではメンバーが執筆した読書感想文と、
勉強会で発表されたおすすめ書籍の紹介などをしております。

現在に至るまで脈々と受け継がれている

 

古流剣術各派の技。

 

各流派ごとに、技を盗まれないよう、

 

技を伝える形はそれぞれ創意工夫が凝らされています。

 

 

技術を盗まれないようにする、

 

その技術を守り、伝えていく。

 

それが大事なのは、防衛産業も一緒です。

 

 

普段生活する分には、

 

多少品質や性能・強度が落ちても

 

問題なく使えたり、

 

あるいは代替できるモノはたくさんあります。

 

「安くて便利」がいい場面はたくさんあります。

 

 

しかし、国を守る、国民の命を守る、というところでいくと、

 

それが必ずしも真でないという面も出てきます。

 

 

特に軍事という分野においては、

「安くて便利」

 

が通じては困る世界なのです。

 

 

しかし、日本の防衛産業を取り巻く現状

 

については、まだまだ知られていないことも

 

多くあります。

 

 

防衛の話となると、どうしても正面装備の話になりがちで、

 

ついそちらの議論に流され、その前提としてあるべき

 

兵站の議論は疎かにされている、というのが現状です。

 

 

政府・自衛隊・企業が一体となって(つまり軍産複合体)、

 

考え、取り組み、前に進めていかなければならない課題です。

 

 

「戦える」ということは

 

「武器を揃えている」だけでは成り立ちません。

 

「兵站」がしっかり整っていなければなりません。

 

本書で語られる防衛産業は、「兵站」そのものです。

 

 

誰とは申しませんが、

 

巷で専ら安全保障に詳しいとされる御方には、

 

是非ともこの点とくと考えていただきたいものです。

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