読書感想文:今谷明『室町の王権―足利義満の王権簒奪計画』 | 倉山塾東北支部ブログ

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学校で歴史の授業を受けたとき、どの時代が面白かったでしょう??

 

だいたい人気なのは、戦国時代や幕末ではないでしょうか。

 

私もそうでした。

 

…もっとも、戦国時代に関しては、授業内容以上のことを知っていたので、嬉しいような物足りないような、複雑な心境でしたが(笑)

 

ですので、鎌倉や室町の話は、戦国や幕末ほどには心躍らなかったのです。

 

そんな私が鎌倉時代や室町時代のことを知りたいと思ったのは、社会人になってから。

 

そこから足利義満についても少しずつ知ることになります。

 

歴史の授業では、義満については、「金閣建てた人」「日明貿易した人」「南北朝統一した人」くらいの印象しかない人が多いのではないでしょうか。

 

私もそうでした。

 

しかし…

 

足利義満こそ、天皇家にのみ認められた権利・地位を簒奪しようとし、かつそれがあと一歩で成功するというところまで行った張本人でした。

 

…ここ最近、「シンオーチョウ」を作るだの何だのと、何やら天皇家に不敬な言動をすることを憚らない連中がおるようです。

 

このような言動が巷間に与える影響も少なからずあるので、厳しく追及するべきですし、決して油断はなりません。

 

しかし、その連中の言動など、義満の計画の周到さやスケールの大きさに比べれば…

 

臣下の身にありながら至高の地位に最も肉薄した男がどのような手段をもって簒奪に及ぼうとしたのか。

 

それを知ることで、どうしたら天皇家を守れるのかのヒントが得られることでしょう。

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