読書感想文:倉山満『参議院』 | 倉山塾東北支部ブログ

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世の中には、当たり前のように存在しているけれども、役に立っているのかいないのか、あんまりよく分からないもの、というのがあります。

 

人間の身体にしても、それが無くても生きる上では特に困らないという器官、いわゆる“痕跡器官”がけっこうあるようです。

 

例えば、親知らず・尾骶骨・盲腸・ダーウィン結節…

 

さて。

 

学校で授業を受けたとき、実は参議院の意義というものが今一つよく分かりませんでした。

 

説明を聞けば聞くほど、そんなに衆議院と変わらないではないか、と。

 

それでは、参議院の存在意義とは何なのだろうか、と。

 

貴族院の“痕跡器官”のような気がしてなりませんでした。

 

 

その貴族院ですが、授業を受けていた頃のイメージは、多少違いはあれど今の参議院に近いもの、でした。

 

しかし、貴族院が本来持っていて然るべき機能は枢密院が持っていました。

 

故に、貴族院も何だかよく分からない機関と化してしまっていたようです。

 

むしろ現在の参議院は、内閣に対する拒否権を行使できるという点で、戦前の衆議院にその性格が似ているようです。

 

しかし、日本に衆議院は二つは要りません。

 

 

参議院は、戦前の衆議院のような機能ではなく、貴族院と枢密院を足した機能を持てれば俄然その存在意義は出てくるでしょうが、今のままでは貴族院の“痕跡器官”のままです。

 

 

如何にすれば“痕跡器官”の状態から本来の姿に戻すことができるのか。

 

“痕跡器官”をそのままにしておくのは、あまりに勿体ないことと思います。

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