本日のテーマ
【程よい加減を知る】
人間の欲求は果てしないようです。
次から次に欲しいものが出てきます。
欲しかったものを、やっとの思いで手に入れたときは嬉しいものです。
初めは、大切にするのですが、やがて時間が経ち、慣れてくると喜びも薄れてきます。
すうと、せっかく手に入れたものが、だんだん有って当たり前という感覚になってしまいます。
このときは、もう欲しいものではなく、欲しかったものという過去形なり、そしていつの間にか、また新たに欲しいものができるのです。
このようにして消費がどんどん増えて行くのでしょう。
ものが増え過ぎると処分するのも一苦労です。
皆さんの身の周りでも、以前欲しかったもの、今どうなっていますか?……
憧れていてものでも、いざ自分のものになると、段々気持ちも変わってくるというお話があります。
昔、ある農民が借地で農業をしていました。
いつか自分の土地が欲しい。それも広い土地が欲しいと望んでいました。
その夢はやがて叶うことになります。
最初は大変な喜びで、仕事に精を出しています。
しかし、あるときから困るようになってしまったのです。
それは、土地が広すぎて管理するのが大変になってしまったからです。
そして今度は広い土地を嘆くようになってしまいました。
世の中には、“程よい加減”があります。
“丁度よい”“普通”というようにも表現されます。
例えば…“多くも少なくもない”などですね。
程よい加減とは、どんなことでしょう?
お金では…
お金が無くて困る人もいれば、お金があり過ぎて困っている人もいる。
食べることでは…
お腹が空きすぎるのも苦しいが、食べすぎても苦しい。
健康では…
便秘になっても苦しいが、下痢になっても苦しい。
気候では…
寒過ぎると暑過ぎる。
このように何かが、有りすぎても無さすぎてもあんばいがよくありません。
釈迦はこのことをこう説いています。
「有無同然(うむどうぜん)」
(有る苦しみも無い苦しみも同じ苦しみである)
そこで大切なのは、「程よさ」です。
丁度よい加減です。
「不増不減(ふうぞうふうげん)」
般若心経の中に、“不増不減”があります。
この世の中では増えるものも減るものもない! “空”(くう)を表します。
「空」とは…
木は単体である物ではない。土、空気、光、水、種等、それぞれがあって出来た物である。この世の中はすべての物質は何かと影響し合い存在している。
すなわち、単独で存在している物は何もないから“空”である。
また、“何かが増えれば何かが減る”という意味でもあります。
…バランスの法則とでも言うのでしょうか。
例えば、毎日の生活の中で増える“ゴミ”です。
じつは、このゴミは自然の資源から出来ています。
紙はパルプ(木)、プラスティックは原油から作られます。
自然の資源を削りゴミが作られていることになります。
まさしく、ゴミが増えれば、自然環境が減ることになります。
自動車は便利ですが、走ることにより空気が汚れる燃料が使われます。
これもまた便利と引き換えに自然環境が失われていくことになります。
無駄な消費は、自然の資源の無駄使い。
程よさを知ることにより無駄をなくしたいものです。
また、バランスの法則を知り、増えるものがあるときには、減るものがないかをよく考えてみたいですね。

■ロダンの言葉…
「自然は常に完全である。けっしてまちがわない。まちがいはわれわれの立脚点、視点の方にある」