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円居挽『クローバー・リーフをもう一杯』
        角川書店  2014.9.30発行

 




クローバー・リーフをもう一杯 今宵、謎解きバー「三号館」へ/KADOKAWA/角川書店
¥1,836
Amazon.co.jp





★本の内容(Amazon.co.jpより)


お代は謎だよ   。
時間や場所を問わず、大学構内のどこかで気
まぐれに営業を始める神出鬼没の都市伝説バ
ー「三号館」。
妖艶な女マスター・蒼馬美希は、持ち込まれ
る謎を鮮やかに解き明かす。
大学生遠近倫人は、理系女子・青河幸の気を
惹くために「三号館」に謎を持ち込むが…。


★ここだけの話


数多くの本格ミステリ作家を輩出してきた京
大推理小説研究会。
綾辻行人以降では、法月綸太郎、我孫子武丸、
麻耶雄嵩などそうそうたる顔ぶれです。
この作者、円居挽(まどい・ばん)もこの研
究会の出身。
京都ならではの題材を中心としたミステリを
書き続けています。


この作品、『クローバー・リーフをもう一杯』
には長めのサブ・タイトルがついています。
『今宵、謎解きバー「三号館」へ』です。
5篇の短編にはクローバー・リーフを始めと
してカクテルの名前がつけられています。
さらにレシピまで書かれているのでとても親
切だと言えましょう。


主人公の京大生、遠近倫人の恋の行方も気に
なりますが、それよりも突然姿を現わすバー
とマスターの蒼馬美希に注目してしまいます。


最後にその謎は明らかにされますが、そこへ
行くまでは摩訶不思議な世界に翻弄され続け
です。
彼女は一体誰なのか?
どうして遠近倫人の目の前に忽然とバーが現
われるのか?
数ページで一気に解決です。


彼女の正体がわかったことで、このシリーズ
は終わりですよね。
意外性の部分がなくなったら、おもしろさは
半減してしまうことでしょう。
それとも無理して、京都のどこかに「三号館」
を創ってしまうのも手だと思います。

そして遠近倫人の恋の結末を知りたいもので
す。