●東川篤哉 『純喫茶「一服堂」の四季』講談社 | 新・駅から駅までウォーキング

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東川篤哉 『純喫茶「一服堂」の四季』
           講談社 2014.10.8発行
 



純喫茶「一服堂」の四季/講談社
¥1,566
Amazon.co.jp





★本の内容(Amazon.co.jpより)


古都・鎌倉でひっそりと営業する古民家風喫
茶「一服堂」。
エプロンドレス姿の美人店主は、恥ずかしが
り屋で人見知り。
しかし、事件となるとガラリと人が変わって
しまう。
動機には一切興味がない安楽椅子型の名探偵
が「春」「夏」「秋」「冬」の4つの事件を
鮮やかに解く、連作シリーズ!


★ここだけの話


鎌倉の古民家風純喫茶「一服堂」。
お客も少なく、どうやって30年以上も店が
潰れないのか不思議です。


この店をやっているのが安楽椅子で、「あん
らく・よりこ」と読みます。
この名前からして、東川篤哉お得意のユーモ
ア・ミステリ。
連作短編集の新シリーズです。
でも四季を書きつくしたので、この次は無理
かもしれません。


表紙のイラストをよくよく見ると、タレーラ
ンの切間美星そっくりじゃないですか。


しかし彼女の生い立ち、家族、友人など周囲
の情報に全く触れていないので、どんな人物
なのか今ひとつわかりません。
ただ人見知りが激しく接客業に向いていない
ことと、事件の話を聞くと180度人が変わ
ってしまうことは十分理解できました。


美人店主という点では、ビブリア古書堂の篠
川栞子に近いものを感じます。


また、推理が甘い、ぬるい、うすい、浅いと
人をくった言い方をするところは、自身の大
ヒット作「謎解き~」の執事・影山を彷彿さ
せるところでもあります。


まあ、いろいろなことを連想しながら読みす
すめていたのですが、作者の一番のウリであ
る事件の謎解き部分には、あまりキレを感じ
ませんでした。
ここがおもしろくなければ、今回の作品は寄
せ集めだという評価になってしまうではあり
ませんか。


決してパロディを意識して書かれたわけでは
ないと思います。
だったら、もっと斬新な「謎」が必要だった
のではないかと思いました。