●森川智喜『なぜなら雨が降ったから』講談社 | 新・駅から駅までウォーキング

新・駅から駅までウォーキング

歩けるうちは歩きましょう!

森川智喜 『なぜなら雨が降ったから』
          講談社  2014.9.16発行 
 




なぜなら雨が降ったから/講談社
¥1,566
Amazon.co.jp





  

★本の内容(Amazon.co.jpより引用)


ある雨の日「Yuregi Detective Office」の
表札がある部屋の前で、女の人が一人で煙草
を吸っていた。
「あの、もしかしてここの事務所の方ですか」
「そうよ」
「探偵さん…ということですか?」
「そうなるわね」
「すごいですねえ。あの。探偵さんってこと
は、推理とか、するんですか?」
「まあね。あなた、もしかして最近、新しく
靴を買ったんじゃない?」
史上最短、デビュー2作目で今年度本格ミス
テリ大賞受賞。
天才モリカワによる前代未聞の名探偵、登場!
春夏秋冬、そしてまた春―雨女探偵が出会う
5つの事件!


★ここだけの話


大学入学を機に野崎圭人はアパートで一人暮
らしを始めます。
そして同じアパートに住み、探偵事務所を開
いている揺木茶々子(ゆれぎちゃちゃこ)と
知り合い、彼女の無給の助手として、いろい
ろな事件に首を突っ込むことになります。


彼女はホームズばりの推理力を披露しますが、
しかしその特徴は何と言っても雨女というこ
とになりますか。
行くところ、いつも雨降りになります。
でも解決の糸口は、それも雨。
彼女は人差し指を天に向け、「なぜなら、雨
が降ったから」、こうカッコよく言って謎を
解いてしまいます。


この本には短編・5作品が収録されています。
いずれも、彼らが住んでいる街で起こる普通
に見える事件です。
しかし警察が気づかないようなとても小さな
ヒントから、雨を通して、解決へと導いてし
まう頼りがいのある探偵の話なんです。


そう、雨降りといえば植草甚一でしょう。

巻頭には植草甚一『雨降りだからミステリー
でも勉強しよう』の抜き書きがあります。
「耳をすますと雨が降っている。
そうだっけ、あの日も雨が降っていた。」


雨の降った日には、読書。
それもミステリが似会います。
時には映像を離れて、活字に浸ってみるのも
いいものだと思います。


そんなことを気づかせてくれる作品でした。