●森博嗣『ムカシ×ムカシ』講談社 | 新・駅から駅までウォーキング

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森博嗣『ムカシ×ムカシ』
           講談社ノベルズ 2014.6.4発行
 


ムカシ×ムカシ (講談社ノベルス)/講談社
¥1,080
Amazon.co.jp



★本の内容(Amazon.co.jpより)


「やっぱり、河童の祟りですか?」

大正期、女流作家の百目一葉を世に出した旧家
・百目鬼家。
当主の悦造・多喜夫妻が、広大な敷地に建つ屋
敷で刺殺された。
遺された美術品の鑑定と所蔵品リストの作成依
頼がSYアート&リサーチに持ち込まれる。
河童が出るという言い伝えがある井戸から、新
たな死体が発見され、事件は、異様な連続殺人
の様相を呈し始めるのだった。
百目鬼一族を襲う悲劇の辿りつく先は?


★ここだけの話


久々の「Xシリーズ」です。
これが4作目となります。


最初の「イナイ×イナイ」が2007年5月
2作目「キラレ×キラレ」が2007年9月
3作目「タカイ×タカイ」が2008年1月
にそれぞれ刊行されていますから、6年半も間
があいたことになります。


さて今回は、期待していた西之園萌絵は登場し
ません。
いつも通りの椙田泰男の事務所のメンバーを中
心に物語が展開していきます。
そして彼らのテンポの良い会話が楽しめます。
時折はいる思考部分は、ほかのシリーズと同様
に、森博嗣特有の考えが表現されている場でも
あります。
こういうところが一番好きです。


旧家で起きたたび重なる殺人事件。
歴史ある家柄だからこその事件だったのではな
いかということで幕が閉じられます。

少しありきたりの内容だったかと思います。

もっと作者らしい、「理系の極み」みたいなものが

ほしかったです。

今回に限っては、バリバリ文系の家系図重視の

ミステリでした。


ビックリしたのは、作中に登場するゴッホの絵画

です。
偽物とばかり思っていたのですが、実は本物だ
ったんです。
こうしたことで椙田泰男は儲けているんですね。


次回作5作目は年内に発売予定です。
タイトルは「サイタ×サイタ」だそうです。
このくらいの間隔で出てくれると、本当にうれ
しいですね。


それと、西之園萌絵に引っかけた内容だと、

もっとうれしいです