●宮部みゆき『ソロモンの偽証 第III部 法廷』新潮社 | 新・駅から駅までウォーキング

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メモ感動の 宮部ワールド 最終章本


宮部みゆき 『ソロモンの偽証 第III部 法廷』
                      新潮社  2012.10.10

ソロモンの偽証 第III部 法廷/新潮社
¥1,890
Amazon.co.jp


★本の内容(Amazon.co.jpより)


この裁判は仕組まれていた!?
最後の証人の登場に呆然となる法廷。驚天動地の完結篇!
その証人はおずおずと証言台に立った。
瞬間、真夏の法廷は沸騰し、やがて深い沈黙が支配し
ていった。
事件を覆う封印が次々と解かれてゆく。
告発状の主も、クリスマスの雪道を駆け抜けた謎の
少年も、死を賭けたゲームの囚われ人だったのだ。
見えざる手がこの裁判を操っていたのだとすれば……。
驚愕と感動の評決が、今下る!


★ここだけの話


いよいよ裁判が始まりました。


核心となるのは、転落死した男子生徒のこと。
弁護側、検察側双方の証人たちの話が進んでいくにつれ
今まで描いていたイメージとは全く違う人物像が明らか
になっていきます。
父母も、兄も、とても理解しがたい思想の持ち主でした。


そして最後の証人となり、ついに事件のすべてを知る
人物が証言します。
彼がソロモンなのでしょうか。


こうなってみると、最後の証人の考え通りに裁判が進行
してきたと言わざるを得ません。
ここで、この裁判で暴露する目的でいたのです。
このタイミングしか話せるチャンスがなかったからです。


きっと重要な何かを隠し持っているのだな、と思いなが
ら読んでいましたので、驚愕の終わりだとは感じません。
しかし、陪審員の評決の部分は確かに感動ものです。


雪の中で転落死している生徒を発見し、弁護側で活躍
した少年が、教師となってこの中学校に戻ってきます。
あの時の学校内裁判は、この学校の伝説となっている
そうです。


その他の生徒たちのことは、何も書かれていませんが、
それぞれ立派な大人になっていることでしょう。
彼らの体験は、その後の人生を正しく歩むことに役だ
っていると思います。


細かいところは、読者の想像で納得していかなければ
ならないでしょう。
解釈の違いもでてきそうです。
でも、満足のいく内容の長編だったことは間違いあり
ません。
これは断言できます。