真実は 裁判通じて 明らかに
宮部みゆき 『ソロモンの偽証 第II部 事件』
新潮社 2012.9.20
- ソロモンの偽証 第II部 決意/新潮社
- ¥1,890
- Amazon.co.jp
★本の内容(Amazon.co.jpより)
期間はわずか15日。
有志を集め証人を探せ!
14歳の夏をかけた決戦、カウントダウン!
もう大人たちに任せておけない――。
保身に身をやつす教師たちに見切りをつけ、一人の
女子生徒が立ち上がった。
校舎を覆う悪意の雲を拭い去り、隠された真実を暴く
ため、学校内裁判を開廷しよう!
教師による圧力に屈せず走り出す数名の有志たち。
そして他校から名乗りを上げた弁護人の降臨。
その手捌きに一同は戦慄した……。
★ここだけの話
自分たちで真実を見つけ出そうとする一人の女子生徒。
彼女の意見に賛同する生徒たち。
そして他の中学校の生徒一人が加わって、学校内裁判
を始めようとします。
最初に転落死した男子中学生を殺したのではないかと
疑われている被告人。
検事側、弁護側、判事、陪審員、廷吏などそれぞれの
役目が決まり、裁判に向けて動き出します。
証人たちのもとを訪ね、その話を聞いていくことに
より、検事側、弁護側それぞれの方向性が見えていき
ます。
しかしギリギリ新しい展開が何かあるであろうことは
予見できます。
でないと、ソロモンと目される人物は一体誰なのか、
何をどう偽証しているのか、という答えにならない
からです。
いじめについてはするどい追求をしていません。
それよりも生徒一人一人の立ち位置をはっきりとさせ
ており、それが他人から見えにくいものだという印象
を受けました。
いじめが原因のように見えても、じつは全然違って
いたりするわけです。
こうした複数の事実が解きほぐされながら、裁判当日
に向かって生徒たちが活躍する姿はかっこいいです。
自分たちが中学生の時は、何事もなく通過してしまっ
たことを思い出しました。
だから残念だ、とは決して思いませんが………。