寄り道ギャラリー1分間(その115)
ジャン=パティスト・パテル
『野営(兵士の休息)』18世紀前半
(国立西洋美術館蔵)
★ちょっとひとこと
ジャン=パティスト・パテル(1695~1736)は
フランス北部のヴァランシェンヌで生まれた。
雅宴画のジャンルを創り上げたヴァトーの数少ない
弟子の1人で、師の後継者となった。
この『野営(兵士の休息)』は厳密には雅宴画とは
言えないかもしれないが、休憩している兵士たちと
楽しんでいる女性たちを描写しているところは
ほとんど同じである。
兵士と語り、また赤ん坊に授乳している女性も
いたりする。
こんな道端でくつろげるとは思わないが。
ブリヂストン美術館にある『水浴』もこの絵とほと
んど同じ構図だった。
ただしそちらに登場するのはすべて女性。
パテルは若い頃から早死にすることを恐れていた
らしい。
師のヴァトーは36歳で亡くなり、彼の周囲の人々
の中でも早世する人が多かったためだ。
結局、師より5年多く生きただけだったが、彼は
長く生きたと感じられたのだろうか。
寄り道ギャラリー1分間(その115)
‥ジャン=パティスト・パテル
2011.4.24 & 2011.7.23