イタリア(8)‥洞窟住居の街、マテーラ
【世界遺産】マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園
カルスト大地の岩山に築かれた洞窟住居群。
「サッシ」と呼ばれている。
これはマテーラの新しい市街。
観光客はほとんど見られず、わずかにアメリカ人が
数人いただけだ。
遠くの崖に旧石器時代に造られた無数の洞窟が見える。
マテーラの街は石灰岩の浸食でできたグラヴィナ渓谷
にある。
8~13世紀に東方からイスラム勢力を逃れてやって
来た修道僧たちが住みつき、130以上の洞窟住居を
造った。
その後15~16世紀にはオスマン帝国に追われた
アルバニア人やセルビア人らが移住してきた。
そもそもこの洞窟住居は、斜面の途中に掘られた
横穴式住居の上に家が建てられ、さらにそのまた上に
家が積み重なり、今のような形になった。
実は1950年代の強制移住によりサッシ地区は廃墟と
なってしまった。
その理由は、不衛生で不便だということ。
しかしその後、サッシの歴史的価値が認められるよう
になり、徐々に整備されているところだと言う。
今は7割程度の人が戻り、ここで暮らしている。
サンタ・マリア・デ・イドゥリス教会。
荒涼とした岩山に築かれた歴史あるサッシ。
この雰囲気そのままに、映画のロケで使われることも
多いらしい。
グラヴィナ渓谷の斜面に白い立方体の箱が折り重なり、
つながって造られたサッシ。
太陽の角度により、影のでき方が違うので、見る時間
により、景観のおもしろさも変わってくる。
飽きの来ない風景だと言える。
イタリア大周遊10日間
2012.5.17~5.26 阪急トラピックス