●石持浅海 『トラップ・ハウス』 光文社 | 新・駅から駅までウォーキング

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メモ密室の トレーラーハウスで 復讐劇本


石持浅海 『トラップ・ハウス』
                光文社 2012.5.20発行 

トラップ・ハウス/光文社
¥1,470
Amazon.co.jp


★本の内容(Amazon.co.jpより引用)

狭苦しいトレーラーハウスに閉じこめられた卒業旅行
の男女9人。
ドアも、窓も、開けられない。
混乱のなか、1人が命を落とし、悪意に満ちたメッセ
ージが見つかる。
この罠を仕掛けたのは、いったい誰か?
果たして彼らは、ここから生きて出られるのか?
デビュー10周年の著者が、本格ミステリーの原点に
立ち返った、新たな傑作!


大学卒業を間近に控えた本橋大和は、級友たちと車2
台に分乗し、郊外のキャンプ場に出かけた。
先乗りしたはずの幹事の姿は見えないが、チェック
イン済みのトレーラーハウスに向かう。
見慣れない宿泊施設に興奮した9人全員が中に入って、
そのドアが閉まったとき、復讐劇の幕が開いた―。
はたして彼らは、生きてここから出られるのか!?―。


★ここだけの話


大学の卒業旅行として計画された1泊2日の旅行。
トレーラーハウスに泊まり、バーベキューをする予定
でした。
ところが、ドアも窓も開かず密室の中に閉じ込められ
てしまいます。
この閉ざされた空間で復讐劇がスタートします。
しかし携帯電話も使えず、警察に助けを求めることは
できません。
ついには犠牲者もでてしまいます。
この犯人も閉じ込められたうちの1人だろうと推測
されますが、最後までわかりません。


参加した彼らには、共通の忘れがたい過去があり、
その復讐のため今回の事件が引き起こされたのです。
しかし、この動機。
ここまでやるか、というほどの執念ですね。


学生たちの過去を想い起しながらの議論。
それで事件の発端がわかるように書かれています。


本格ミステリーの原点に立ちかえった作品と紹介され
ていますが、それは密室内の出来事のことでしょうか。
それ以外の部分は、インパクトを与えられるような
内容ではなかったような気がします。

傑作と呼ぶには、今ひとつ物足りない感じがしました。


でも毎回趣向を変えて、いろいろな方向からミステリ
を書いています。
だから、次回作は何になるのか、これが読者の楽しみ
でもあります。