寄り道ギャラリー1分間(その112)
ジョヴァンニ・ドメニコ・ティエポロ
『聖母子と三聖人』1759~62年頃
(国立西洋美術館蔵)
★ちょっとひとこと
ジョヴァンニ・ドメニコ・ティエポロ
(1727~1804)はヴェネツィアの生まれ。
父親は、偉大な画家であったジョヴァンニ・バッティ
スタ・ティエポロ。
幼少期から父のもとで修業をし、父の最も優れた協力
者として活躍した。
イタリア各地からドイツ、スペインなど、父の仕事に
必ず同行した。
この作品は1762年に父と一緒にマドリードへ行く前に
描いたもので、古典的な祭壇画である。
聖母子を中心に、その周囲に聖人たちや、時には寄進
者を描くことがヴェネツィアでは流行した。
ティツィアーノからヴェロネーゼ、そしてティエポロと
ヴェネツィア派ではこうした題材が多く採りあげられて
いる。
マドリードで父が亡くなった後は、ヴェネツィアに戻り、
大作の注文をこなした。
次第にロココ期が終わりに向かい、新古典主義が到来
することになる。
ティエポロも父の様式を残しつつ、新しい表現様式を
加味するようになっていった。
寄り道ギャラリー1分間(その112)
‥ジョヴァンニ・ドメニコ・ティエポロ
2011.4.24 & 2011.7.23