寄り道ギャラリー1分間(その109)
ピエトロ・ロンギ
『不謹慎な殿方』1740年頃
(国立西洋美術館蔵)
★ちょっとひとこと
ピエトロ・ロンギ(1702~1785)は、ヴェネツィアの
生まれ。
本名はピエトロ・ファルカという。
父親は金細工の職人。
アントニオ・バレストラやジュゼッペ・マリア・クレ
スピの工房で修業した後、独立した。
初期の頃は宗教画、歴史画、大規模な装飾画を描いて
いたが、1935年頃より風俗画が多くなり、彼独自の
風俗画様式というものを確立した。
当時のヴェネツィアの貴族社会や彼らの生活が、絵の
中に見てとれる。
そして、刺激的なタイトルのつけ方がおもしろい。
『不謹慎な殿方』は、中央の女性が一体何をしている
のか、気になる。
これは当時流行していた「しらみ取り」のポーズらし
いのだが、男たちはそれをのぞき見している。
後ろの女中が女性に対し「行儀が悪い」と注意しよう
としているところのようだ。
明るく軽妙に18世紀のヴェネツィアを描き、特に
晩年は仮面をつけた人物が多く登場するようになる。
寄り道ギャラリー1分間(その109)
‥ピエトロ・ロンギ
2011.4.24 & 2011.7.23