冬至 柚子
今朝の東京地方は曇り空、
残念ながら日の出の位置は確認できなかったが、
日の出の位置がもっとも南寄りになり、
日の入りの位置ももっとも南に寄る、
今日は冬至。
何かとあわただしい師走の日々、
冬至の夜は暖かい柚子湯でリラックスしたいもの。
既存のベンゾジアゼピン系抗不安薬に変わり、副作用のない
ラベンダー・オイル等に含まれるリナロールを有効成分とする
「抗不安剤」が(独)国立環境研究所の研究者により特許申請され、
昨年特許第4517117号として成立している。
リラックス効果のあるモノテルペンアルコールのリナロールは、
ラベンダー・オイルだけでなく、地中海沿岸を主生産地とする
柑橘類ベルガモットの主精油成分でもある。
同じ柑橘類で、日本が最大の生産地である柚子の皮及び実を
水蒸気蒸留で抽出して得られる芳香蒸留水の有効成分中71%も
このリナロールで占めていることが高知大学の研究者による
GC分析の結果得られている。
柚子の精油成分はその7割以上は柑橘類に特有のリモネンであるが、
トドマツやスギの精油成分に含まれる心地よい香りのミルセン、
二酸化窒素等の環境汚染物質除去効果が確認されている
γテルピネンも多く含まれている。
消毒の必要がなく、無農薬で収穫でき、安心して
その皮も果汁も料理を引き立てる素材として活用できる柚子。
今年も我が家の柚子が黄色く色づいている。
廣木隆一 「軽蔑」
軽蔑=かろんじあなどること。見下げること。
そこでは皆がその瞬間を生き抜いている、人種のるつぼ歌舞伎町の
ポールダンサーとして、水を得た魚のように輝き、観客を魅了してきた、
矢木真知子(マチ)。
マチちゃんに恋をした歌舞伎町の遊び人二宮一彦(カズ)に
半ばさらわれるようにしてカズさんの故郷にたどり着くと
そこは地方都市の旧家としてカズさんの両親が“尊敬”を集め
生きている地域であり、身寄りのないまちこは
本人自身の人間性、生き方とは無関係にその職業だけで、
あたかも“軽蔑”されているかのような疎外感を
感じる場所であった。
46歳の若さで病死した中上健次の最後の小説「軽蔑」は
愛するカズさんと一対一の関係を築こうとしたマチの
自己とのそして他者との孤立無援の戦いの物語である。
赤坂真理の小説「ヴァイブレーター」で記されている主人公が
社会人として組織の一員で働いている際の心理描写を思い切って省略し、
“孤独”な女性の心の動きを情感漂うロードムービーとして
原作以上に優しく豊かな映像として切り取ることに
成功している廣木隆一監督。
この廣木監督の映画「軽蔑」で鈴木杏が演じたマチには、
マチの心の底を昇華したかのような“はかなさ”と
五分と五分の真剣さを感じた。
「最初に原作を読んだ時、女性の汚い部分や弱い部分が全部
ばれちゃうと思ってびっくりした」と言っている鈴木杏さん、
上野毛“風和利”で鈴木杏さんにこの作品について少し聞いたとき、
監督が心に描くマチを演じきるまで何度も何度も演技し、
廣木監督はじっと待っていてくれたと話していたが、
小説の矢木真知子の行動に感じた自己憐憫の心でなく、
映画のマチちゃんには一途にカズさんを愛する潔さを感じた。
朝日新聞のインタビューに答えて鈴木杏さんは次のように
話していた。
「私もたかが24歳ですけれど、経験をかさねていくうちに、
動物的なことを置き去りにしていたかも。
これからはあんまり考えず、マチちゃんのように、瞬間、瞬間、
生身でいきたいなあって」
映画「軽蔑」は滅びの美学、人の人に対する一途な思い、
人間が持つ魅力そして弱さをより強調した、
小説「軽蔑」とはひと味異なる廣木監督作品であった。





