ブロークン・イングリッシュ
没後23年となるジョン・カサベテス監督の作品を集めた特集上映が
渋谷のシアター・イメージフォーラムで開かれている。
「人間の弱さや葛藤を自然に描き出し」妻ジーナ・ローランズを主役と
した傑作「グロリア」を製作したジョン・カサベテスの娘ゾエ・カサベテスの
監督デビュー作品がこの「ブロークンイングリッシュ」
自立する女性の象徴ともいえる“ノラ”。
適役のパーカー・ポージーが主人公“ノラ”を演じた「ブロークン・イングリッシュ」は、
人を押しのけてまで自己主張することは無く、
人に認めてもらいたいとの無意識の心から“良い人”を演じていた
主人公ノラが、固定観念と言う束縛から抜けだし、原題が意味するところの、
必死に思いを伝えようとする、なりふり構わないコミュニケーションに目覚め、
自らの人生を変えていくその生き方を思いやりのある目で描いている。
2007年に制作された本作をスクリーンに投影された映像として
見たことは無いが、デジタル化してDVDに記録された本作の
全体的に“パステルカラー”のような紗がかかった映像が
主人公が20代を “自信が持てない不安な心” で過ごしてきた
その心象を写し出しているように感じた。
「人間の弱さや葛藤」を描く事で、自己と対話し、自分の性格の先天的
部分を、これまでの人生で学んだ後天的なものに変えて行こうとする、
日常に流されない「人間」の姿を描く作風は父・母から娘へと
受け継がれている。







