『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(The Iron Lady)
第二次世界大戦以降、常に米国の影響を受け、
海外に対するマスコミ報道も米国に目を向け続けてきた
我が国にとって、その時代その時代で米国の大統領が
どのような政策を実施し、米国をどのように導いてきたかは
詳細に報道され、概略覚えているが、
冷戦時代にイギリスを引っ張っていたサッチャー元首相
についてはフォークランド紛争、レーガン大統領との
共同作業以外は残念ながらあまりに記憶がない。
希代の名女優メリル・ストリーブが、認知症を患っている
現在のマーガレット・サッチャーを演じきった
『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(原題: The Iron Lady)では
政治家としての切り口は抑え、母としてそして妻としてのサッチャー元首相の
これまでの生き様を、「マンマミーア」でメリル・ストリーブと共に仕事をしている
フィリダ・ロイド監督がメリル・ストリーブの女優としての実力を十二分に
引き出して描いた作品である。
ロンドンから北に約200km離れ北海に面したリンカンシャー州で
政治活動に熱心な食料品兼雑貨店の娘として生まれ、
オックスフォード大学を卒業後政治家に転身し、
保守党党首として1975年から1990年まで冷戦時代の欧州で
英国首相を務めたマーガレット・サッチャー。
英国俳優の中でただ一人米国人のメリル・ストリーブが
英国式アクセントと特殊メイクで縦横無尽に“普通の老婦人”を演じた
本作は、現役を引退したとはいえ、まだ家族と共に暮らしている元首相の
真実の姿を描くにはさまざまな制約があり利害の対立から多くの困難さを
伴うことは容易に想像される通り、政治に身をささげた主婦としての
女性の生き方を“虚像”としてのマーガレット・サッチャーとして描いていた。






