一眼レフカメラを所有しているのですが、レンズのAFが動かなくなりました。今週末には旅行の予定があり、これを持っていきたい。どうする?新しく買う?いや、自分で修理しよう!
ということで、今日のポストは、そのCANON EF-SレンズのAF故障に対する修理記録的備忘録です。
一眼レフカメラを持っているとは言っても、私の場合は趣味と言える程のモノではなく、ただ単にバイクツーリングで使えたらいいなぁ…と思ってエントリーモデルを中古で購入しただけ。つまりは、写真撮影の知識も技術もない “一眼レフカメラをただ持っているだけの人” です。旅行とか景勝地などに行くときには持ち出して “カメラ任せ” で撮影をしているのですが、いまはその程度でいいと思っています。技術や知識は、もっと技術を身につけたいと思う時がきたら…で。
そんな程度の私ですが、使えるか使えないかという問題は別で、後者となってしまってはちょっと困りもの。とくに旅行などには、こんな私でも持っていきたいわけです。そんな折、今週末に旅行の予定があるつい先日のこと、オートフォーカス機能(AF)が機能しなくなりました。少し前からシャッターボタンを半押ししてもAFが作動しない症状が出始め、騙し騙し使っていましたが、ついに完全に動かなくなりました。今週末に旅行の予定があるのに、どうしよう?
故障したのは 18-55mm のレンズ。別に 55-250mm 望遠レンズはありますが、18-55mmもなきゃ困る。週末の旅行時の対応策としての選択肢は、1)新しく買う 2)望遠レンズのみで持っていく 3)一眼レフは持っていかない 4)修理する の4つ。この中の 3) 持っていかない は除外されるので、残る選択肢は「買う」か「修理する」となります。こんな精密機械みたいなものを素人が修理できる訳がない…との思いから、最初は購入(中古品を)を検討しましたが、機械いじりが好きな性分ゆえにちょっと修理方法を調べてみました。すると、超安価なパーツ代のみで案外簡単に直せる可能性があることが判明したので、修理してみよう!ダメだったら買おう…ということにしました。
購入したものは、AFを制御するフレキシブルケーブル のみ。このパーツのコストは、なんと 357円(税込) という超安価。amazonにて購入可能ときたので、速攻で発注かけて翌日には手元に届きました。
見た時点では、単品売りのものもありましたが、中華製ゆえに “不良品の可能性” も考慮して2個入りのものを購入しました。
極簡易包装にていかにも脆弱そうなパーツが届きました(素人目線)ので、早速修理作業をはじめます。この時点では、新規購入コストとかその辺のことは頭には微塵もなく、ただ単に “修理できるのだろうか?” という興味本位からくる楽しさのみが頭のなかを占拠しています。
先ずは、マウントを取り外すことから始まります。その為に必要なのは、⊕の精密ドライバーで #000 と #0000 の2本。#000 はマウント上面にある4本で使用するのみで、それ以外は内部のものも含めて全て #0000 で外します。
マウントを外したのが上の画像です。マウントは1本のフレキシブルケーブルで繋がっていますので、それ(赤矢印)を引き抜いて完全に取り外しておきます。
次に、黒いリングスペーサーを取り外し、①~④のフレキシブルケーブルを取り外します(基盤につながっているフレキシブルケーブルは合計5本)。差込部の根元中央に小さな穴が開いているので、そこにピンセットの先端を差込んで作業をするとやり易い。
4本すべてを抜くと基盤を捲り上げることができるようになります。基盤は抜いていない残り1本のフレキシブルケーブルでまだ繋がっている状態なので、それを破損させないように注意してさらに下層に進みます。この基盤は赤矢印のシリコンパーツ3か所に爪が嵌り込んでいるのみなので、ピンセットでその付近を下から持ち上げてあげれば容易に外すことができます。
基盤の下層にはAFモーター(銀色のパーツ)がありますので、それを取り外しにかかります。これは2本のネジで固定されているので 精密ドライバー #0000 でネジを抜いた後に、上に引き抜く感じでの取り外しとなります。
AFモーターを引き抜く際の注意点がひとつ。ボディー横にあるAF/MF切替スイッチの爪が引っ掛かっている状態になっているため、その引っ掛かりを外してあげなければなりません。ピンセットなどでズラす感じで簡単に外れますので、AFモーターを引き抜く前にやっておきます。
AFモーターの取り外しができたら、故障原因であるフレキシブルケーブルが見えてきます。多くの方々と同様に、私のレンズでもケーブルの切断が見てとれます。この切断されたフレキシブルケーブルの交換が、この修理のメイン作業です。
固定ネジ2本ですが、画像は外した後のものです…
フレキシブルケーブルは両面テープで張り付けてあるだけなので、ピンセットで剥がしていくという単純作業ですが、その際に接点ブラシが邪魔になるのでそれを取り外します。少し奥まった所にあるので、ネジの内部落下には注意。
フレキシブルケーブルを剥がし取ったら、ひと段落。あとは新品フレキシブルケーブルを貼りなおして、外したものを取付けていくのみです。
フレキシブルケーブルが収まっていた部分には溝があるので、そこを目安にして取付けをしていきます。両面テープがむき出しの状態での作業になるので、意図しないところでの張り付き等でやりずらい面はあるかと思いますがその辺は上手くやるしかありません。接点ブラシとの接触面もむき出しなのでそこも保護しつつ…手先の器用さと丁寧さと根気&冷静さが求められる作業です。
フック状の溝に嵌める感じで… 両面テープの油紙を剥がす前に位置確認しておくのが良し
少し斜め下に向かって貼付けする形になっています。
接点ブラシとの接触部の貼付けが完了したら、今度は上部のここも同じ要領で両面テープで貼付けをします。この部分には2つの穴があいているので、本体にある2つの突起部に合わせて。たわませての貼付けになるので、破損や傷つけに注意。
あとは、外したものを付けなおしていく作業。シルバーのネジから時計回りに、AFモーターのネジ2本、接点ブラシ&ネジ2本、マウント上面ネジ4本、マウント側面ネジ2本。
接点ブラシを2つの爪に合わせて戻してネジ固定したら、AFモーターの取付に移ります。
AFモーターを戻す際の注意点は2点。本体から棒(赤矢印)が伸びてきているので、AFモーターの適合する部分をそれに被せるようにはめ込むことが1つめ。
見たところ正円ではない感じなので、あわせて嵌め込めばスムーズに入っていきます。ここに嵌っていない状態でもAFモーターは入りますが、その時は固定用ネジ穴が合わず、自然な感じで収まっていないのが “明らかに” 分かります。
もう1つは、このフレキシブルケーブルが必ず引っ掛かるので、これを少し矢印の方向から押し込んでパーツ間の隙間に収めてあげること。この状態で無理にAFモーターを上から押し付けて設置しようとすると、このフレキシブルケーブルの破損につながる危険がありますので。
AFモーターが元に戻せたら、後は基盤を設置し直して、そこにフレキシブルケーブル4本を差込み戻して、リングスペーサーを取付け、マウントとのフレキシブルケーブルを繋ぎなおしてから、ネジ止めをして終了です。
で、結果どうだったかと言うと、AFが元気に動く状態になりました。
試し撮りしてみましたが、AFもちゃんと動きますし、撮れた写真のピントもちゃんとあっているように見えます。ド素人なので、これで完璧に修理されているかどうかの判断はできませんが、私の使用状況では “とりあえず修理完了” としてもいい状態かと思っています。
今回の作業は、ド素人の私が興味本位全開で行った修理という名の工作…程度のものと認識ください。動かなくなったものが動くようになった!わーい、やった~!!レベルの話しなので。
という訳で、興味本位で一眼レフカメラのレンズを分解して、動かなくなったAFが動くようになったよ…という内容の備忘録でした。





















