BMW Motorrad ROAD STATIONS STAMP RALLY 2023(RSSR2023)にエントリーしたのは今年(2023年)6月のこと。それから2か月後の8月11日~13日で東北地方の指定道の駅10施設をめぐる旅に出た。RSSR2023コンプリートの旅となるこの東北ソロツーリングを完全なる個人的備忘録として残しておく…というのが今回のポスト内容。
いやホント範囲が広くて指定道の駅が多い…このRSSR2023を知った当初は「こんなの回れるわけない…」と思っていたが、始めると何となく “義務感” 的に回っている自分がいた。こういうイベントは嫌いな方じゃないが、コンプリートできるとは思っていなかっただけに、達成感が半端ない(これで達成者に進呈されるマグカップが手に入る!)。
旅の目的は3つ
ひとつは当然のことながら残りの道の駅10施設を回ってスタンプを集めRSSR2023をコンプリートすること。二つめは、鳥海山に上ること(登る…ではない)。そして残るひとつは、東日本大震災の遺構を実際に見て感じること。
最後の目的はひとつめと同レベルで達成したかった目的。テレビで色々と見てきたが、あえて誤解を生む言葉を使うとどうしても “他人事” の域を出なかった。とんでもないことが起きて多くの犠牲が出たことに心痛んだが、やはり “身をもって感じていない” という点においては “自分の身に起きた” 出来事とはなっていなかったのは否めなかったので。
道の駅 あつみ しゃりん(山形県)
鳥海山
Day1 長野 - 盛岡
海抜0から登り始める鳥海山に一度上って見たかった。山形側から鳥海ブルーラインを上り秋田側に下るルート。上り区間での眺望はほぼ望めなかったが、大平展望台まで上るとそこからの眺めは絶景。眼下には日本海が広がり振り返ると鳥海山という最高のロケーション。
大平展望台 山側
この展望台で地元の方と軽く会話を交わしたが、海・山ともにこんなにきれいに見えるのはそうそうないので今日はラッキーだとのことのようだ。自分の腕がないので写真でその感動を伝えることはできないが、久々に見入ってしまう程の絶景だったのは間違いない。やはりここを経由地として入れて正解だった。
大平展望台 海側
しばし感動を味わったのち先に進む。秋田側に下り始めるがこの区間も良い景色が眺められる。車高が高いGSだからゆえに眺められる景色かも知れないが、海に飛び込むような感覚を味わえる(個人的な感想)。気をつけないと見とれて海に…ではないが路外に飛び込んでしまう危険があるので要注意だ。
鉾立展望台付近からの眺望
東日本大震災の遺構
Day 2 盛岡 - 仙台
この日は雨の中のスタート。前日の猛暑とは打って変わって次の日は豪雨という急変ぶり。出発前からこの可能性は承知の上だったので雨対策グッズは準備万端。とくに気分が滅入ることもなく気持ちは晴れやかな状態でホテルを出発。
盛岡から北上し道の駅しんごうと道の駅よこはまの2つを攻め落とす。青森付近で一部雨が上がったところはあれど、この区間の99.9%はそこそこな豪雨(ゆえに写真等の記録はほぼない)。つぎなる道の駅さんりくまでは約280kmで三陸北縦貫道を一気に南下するが、この区間はいままでの豪雨に強風が追加される試練の区間となったが、GS-Aの重戦車たる車格がその試練も軽減させてくれたように思う。横風に強い車格に感謝。
雨風の試練も徐々に和らいできたなか道の駅さんりくを経由し種山ヶ原へ。そこについた時点で次の道の駅さんさん南三陸の営業時間には到着できない状況が確定したので、長めの休憩をとり陸前高田に移動し奇跡の一本松を訪問、その後宿泊地の仙台市まで一気に移動となる。
この旅では食事の充実は一切求めていないので、まともなものをあまり摂っていないかった。この時点でもそれは変わりなかったが近くに牛タン屋があったので、とりあえず行っておくか…的なノリで夕食は “とりあえず” 牛タン。
東日本大震災の遺構 その2
Day 3 仙台 - 長野
この日は約90km北上する南三陸町に向かって走り出す。昨日時間に間に合わなかった道の駅さんさん南三陸を攻め落とすためだが、その道中は少々の落胆の中で…となる。その理由は、この道の駅さんさん南三陸のスタンプは営業時間外でもゲットすることができるということが、昨日夜に分かった上での移動だったからだ。情報収集の大切さを改めて身をもって知ったワケだが、道中で、今日の工程は時間的余裕が一番あるし南三陸の遺構をゆっくり感じるいいチャンスと考え方を切り替える。
やはりテレビで見るのと現地に訪れて見るのとでは雲泥の差だ。色々な思いがその場にいることでよりリアルに感じることができる。何とも言えない思いがこみ上げてくるし、生かされていることに感謝すべき…という思いが自然とこみ上げてきた。
イースター島から寄贈された貴重なモアイ像とともに…
RSSR2023 コンプリート
指定道の駅が26か所(ファイナルイベントのHAKUBA47は除く)あるが、その最後は 道の駅 米沢 となった。コレで最後か…と思うと涙は出ないものの感慨深い。さらには押したスタンプに書かれている文言にグッとくるものがあった。
なせばなる
色々な意味でいまのわたしに一番の言葉だ。なんだろう?今の状況を見透かされてるかのように感じるほどにホント今の私に一番の言葉なのだ。
乗り気じゃなく始めたこのRSSR2023だったが、終わってみると思いのほかどっぷりとのめり込んだな…と言うのが率直な感想。そして最後の最後でこの「なせばなる」という言葉のプレゼント。終わり良ければ総て良し。この言葉に尽きるな。
CONNECTEDRIDE CRADLE
今回、ナビをいままでの Google Map から BMW Motorrad Conected App に変えてみた。このツーリングに合わせるかのようにマップが日本対応になったのがその理由だった。リリース直後のものは大抵 “使い物にならない” ことが多い。特に海外物はその傾向が強いと思っていたので期待せずに使用を始めたが、思いのほか使えるモノになっていて驚いた。
高速道路案内(ジャンクションでの誘導など)等でまだ改善の余地があるなと感じたりはしたが、手元で操作できる快適性がはるかにそれを上回る。Google Mapでルートを引いて、そのデータをConected Appにインストールして使用したが、使い方に工夫が必要なことはあったが困ることがなかったのは称賛に値すると思う。
手元での操作を可能にするためには BMW Motorrad ConnectedRide Cradle が必要となる。手に入れた車両がコイツが装備された仕様だったがゆえにいままで有効な活用方法を見いだせていなかったパーツだった(この価格を知った後は、こんなものにこんな金額払って装備する人がどこにいるのか?と思いさえした)。が、今回のツーリングで使ってみて金額はいまだに高過ぎ感は拭い切れないものの、少しだけあって良かったかも…と思えた。
今後の機能拡張を期待したい。
さいごに…
何か目的を作らないと走りに行くキッカケを見つけにくいだろう…とこのRSSR2023をはじめてみた訳だが、見事に思う通りの結果を得ることができた。5月から乗り始めて約3か月で走行距離5,000kmを超える結果は十分過ぎるものではなかろうか。RSSRコンプリートの目的で乗り回していたのでこの走行距離は当然と言えば当然なのかもしれないが、ここで一休みする予定だ。
乗らないという意味の一休みではなく、その目的を “走ること” から “いままで行ったことがない場所に行って知見を広めること” にスイッチしようと思う。なのでゆっくりノンビリと旅をするためのツールとしての役割をGS-Aには与えようと思うので、急激に走行距離が延びたいままでの乗り方とは違う乗り方(使われ方)になるだろう。
どちらにしても、まだまだコイツと色々な経験を積み重ねていきたいと思っているので、次なる目的を見つけることとしよう。