DT-SWISS Ratchet EXPのちょっとしたトラブルについて | Cycle-Life(旧:おやじ、自転車ロードレースを走る)

2021年度から運用し始めた TREK Emonda SLR で履いている Bontrager Aeolus RSL37 に組み込まれている DT-SWISS Ratchet EXPフリーハブ でトラブル(メンテナンス不足が起因?)にあったので、備忘録として記録しておこうと思います。

 

 

 

 

■ どんなトラブルか?

スターラチェットが嚙み合わずにトルクがかけられない状態になる。つまりはペダルを踏んでもスターラチェットが噛み合っていないので、ホイールに駆動力が伝わらずに、フリーボディーが空回りしてしまいます。

 

 

 

 

赤点線で囲まれたフリーボディー側スターラチェット本体がスプリングによってホイール側スターラチェット(赤点線枠の左側のパーツ)に押し付けられる事によってスターラチェット同士が噛み合い、チェーンによってスプロケットに伝わるペダル踏力がホイールを回す。この様な構造になっているので、スターラチェット同士が噛み合わないと、ペダルをいくら踏みつけようが、その力は一切ホイールを回す力に変換されない。

 

そんな症状が、先日のトレーニング途中の山を上り切って下り始めるポイントで発生しました。ペダルは回るのでフロントをアウターに入れて踏むとケイデンスが爆上がりする。下り始めてるからか?と一瞬錯覚したが、すぐにその異常に気が付く。安全を確認しながら、停止出来る場所まで惰性で移動してチェックすると、クランクを逆回転させてもラチェット音がしないし抵抗も全くない。この状態を確認したところでトラブル原因は推測がつきます。スターラチェットが噛み合っていない…と。

 

では、スターラチェットが収まっているフリーボディー中はどんな状態になっているのか?を確かめるべくホイールを外してスプロケットと一緒にフリーボディーを引き抜くと、そこには奥に引っ込んだままになっているスターラチェットが見えます(上の図で言うと赤点線枠のスプリングで同じく枠内のスターラチェットをホイール側スターラチェット(赤点線枠の左のパーツ)に押し出せてない状態)。指で引っ張り出すも、引っ掛かりを感じることが出来る程の抵抗の後にスコッと抜け取れた。スプリングの変形等がないかどうかを一応確認して問題なさそうだったので、元に戻す。手でスターラチェットを押し込んでみるも、その状態では普通に押し出されてくるので、動作に関しては問題なし。その日はその後も特に同現象の再発も無く帰宅出来たので、たまたまかな…と気にしなかった。

 

翌日は60km程度の平坦メインルートで開催されるショップ朝練に参加。その道中で上記症状が頻発する。その回数は4回(60km足らずでこの回数…)。症状は一緒なのでその都度ホイール外してラチェット引っ張り出して…を繰り返す。特定の条件下で発生してるのかな?と検証するも、明確な統一性はなし。止まって走り出すときに発生することもあれば、普通にペダリングしている時に突如として発生したりする。脚を止めた直後に…とかなら何となく合点も行くけれども、ペダリングしてる時に突如発生…となると、その発生条件がよく分からなくなる。

 

とにかく、こんな状態じゃまともに走れないので即購入店に検査入院させて、原因究明を依頼する。

 

 

■ 原因は?

数日後に販売店より現状報告があった(迅速な対応に感謝)。概略としては…

 

 ① スターラチェットに少々の引っかかりが見られた

 ② フリーハブ内部の汚れが原因となる事があるので、その可能性もある

 

そんな報告と共に、この様な事象が発生しているとの報告が多数届いているみたいで、DT-SWISSからのオフィシャルアナウンスも出ているとの文言も(定期的なメンテナンスの実施に関しての)。とりあえず、メーカー保証適応で新品パーツを取り寄せる手配をとったことと、そのパーツが5月中旬にならないと届かないのでそれまでバイクはお預かりになると。

 

①が原因なら、パーツ交換で解決される場合もあるし、そもそもの製品精度の問題なら解決に至らない場合(再発等)も考えられる。唯一明確なのは、この問題なのであれば我々ユーザーでどうにかなる問題ではないので、メーカー側の対応等に期待するのみなのだけれども、②なら定期的なメンテナンスでトラブルを回避出来るので、こちら側でも対処方法があるということ。

 

 

■ 定期的なメンテナンスが重要!

DT-SWISSからのオフィシャルアナウンス曰く、定期的なメンテナンスがめっちゃ重要です!とのことらしい(当然と言えば当然な話し)。では、その定期的とはどのくらいの時間軸の話しなのだろうか?

 

今回のトラブルに関して言えば、この症状が発生した時点での走行距離は約1,600km使用期間は約3カ月間(2021年01月16日 - 2021年04月24日)。天候要件(降雪・寒さ等々)で外乗りがあまり出来ず室内トレーニングがメインとなる期間ですが、ローラートレーニングは別のバイクで行っているので、この距離・期間には含まれていません。

 

正直なところ、いままで履いて来たホイールでこの部分のメンテナンスをしたことが無い(お恥ずかしい限り)。みなさんどのくらいの頻度でメンテナンスを実施しているのだろうか?と思っていたら、販売店から追加報告が来て、そこには「DT-SWISS側の洗浄&グリスアップ推奨(理想)期間は約800km/2カ月毎です」と。それに照らし合わせると、推奨期間の2倍乗ってることに…。

 

でも、MERIDA REACTOに履いている FULCRUM SPEED 40C なんてノーメンテナンスでいったい何km乗ってるんだろう?にも関わらずノートラブルです。そこからすると、そんなにもDT-SWISS Ratchet EXPはデリケートな製品なのか?と思ってしまう訳で。いや違うか、これが普通なのか?よく分かりませんが、今後は定期的なメンテナンスをやらないといけないみたいです。

 

 

■ まとめ

 ・定期的なメンテナンス実施がとても大事だ!

 これに尽きる…ってことで(当たり前の結果かもしれない…)。