料理長の味 | kuminのドイツ生活日記 

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ドイツ生活19年目に突入しました。
デュッセルドルフでの生活のあれこれを記録しています♪

先週末、レストラン・Biancalaniの料理長・Herr.Kが副料理長・Aさんとともに新しいメニューのためのリゾットを試作をしていました。
その試食が終わってからHerr.Kに話しかけられ、
「オリーブオイルのリゾットもいいでしょ?! バターのまろやかさで全体を包んじゃうとみんながまろやかになっちゃうけれど、オリーブオイルはキノコの風味もホウレンソウの味もしっかりと強調してくれる。僕はそういう料理が好きなんだ。
例えばね、
Wildkraeutersalat(野草のミックスサラダ)を作る時に、乳化したドレッシングは使わないんだ。乳化したドレッシングってどこも同じ味でしょ?! 
でも、Wildkraeutersalatは苦みのある葉だったり甘みのある葉だったり。そういうサラダにはビネガーとかオイルとか塩を振りかけてざっくりと混ぜるの。そうするとドレッシング自体にも酸っぱいところとかまろやかなところとか味に変化が出る。それがWildkraeutersalatにピッタリなんだよ。
反対にEisbergsalat(レタス)だとね、
シャキッと爽やかな歯ごたえがいいわけだから乳化したドレッシングが合う。こういうのはシーザーサラダがピッタリなんだよ」

Herr.Kが伝えたがっていることがものすごく分かりました。
素材の良さを十分に生かしながら、料理全体のおいしさにつなげていく。
全てをまぁるく包み込むようなおいしさよりも、一つ一つが個性を光らせながら料理を作り上げていく感じ。

Herr.Kの料理に対する言葉を聞いていると"この人の下でいろいろ学びたい"と思う気持ちが強くなっていきます。


そう言えば、ずっと前の話になりますが、Ausbildung中にお世話になったレストラン・Pearl。
そこで知り合った料理長・Sさんと奥さん(コックさん)・Bさんに料理を教わっていた当時、「料理長と呼ぶのはSさんだけしかいない!」と思うくらい尊敬していました。
それまでドイツやヨーロッパの料理の基本をしっかりと教わっていたため、SさんやBさんが作り出す創作料理に感動したんです。
アジアの食材を地中海料理に取り入れて味のコントラストを得意としていたSさんと、ビックリするような食材の組み合わせでおいしいものを生み出すBさん(リゾットの女王と呼ばれていたくらいリゾットの名人☆)

しばらくしてから、レストラン・Carmelo Grecoで知り合った当時の副料理長・Herr.D。
最初は全然知らなかったけれど、料理のオリンピックの優勝者だったりフランスの星付きレストランで働いていたり、現在ミシュランに評価されているコックさんを何人も育て上げていたり、、、
そんなすごい人に直接料理を教わることができるなんて貴重な経験だ、と思うと同時に、Herr.Dから教わるレシピにはいつもすごいなぁと。だって、失敗が無い!んです。まさに完成されたレシピ☆
コックとしての尊敬はもちろんのこと、彼の人柄も慕っていました。だからCHARLOTにも行ったんです。

そして今度はBiancalani。
面談をしたときからHerr.Kの職歴は若いのにすごい、とは思っていました。でも、本当にすごいかも…
料理の仕方はもちろんのこと、仕事に対する態度まで"この人は厳しいところで働いてきたんだなぁ"と、注意されることを聞いているだけで感じられる(彼は穏やかに注意しているけれど、その中に威厳と絶対的な禁止が含まれているんです 苦笑)
料理の繊細な部分まで見落とすことのない視点と、より良いものにするための向上心(しかも改善するにあたって明確な理由がある)は一緒に働くことによって私にも身につくのではないかと思うくらい影響力があります。

Biancalani(大きい方のレストラン)の改修がまだ終わっておらず(いつになったら終わるんだろう…苦笑)
私の本当の仕事が始まったとはまだ言えないけれど、Biancalaniで過ごす時間を大いに充実させたものにしたい、そう思っています。