料理長のリゾット | kuminのドイツ生活日記 

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ドイツ生活19年目に突入しました。
デュッセルドルフでの生活のあれこれを記録しています♪

先週はレストラン・Biancalaniでの仕事2週目でした。
週末、ランチタイムの真っただ中に料理長・Herr.Kと副料理長・Aさんが地下室のキッチンで何かを作っていました。
私はいつも通り、地下室のキッチンでディナータイムのための食材を準備していたのですが、
突然Herr.Kに呼ばれ
「これからRisotto(リゾット)の試作品を作りからKちゃんも一緒に見ててよ」と言われました。

作られたのは、
Pilze(Kraeuterseitling・エリンギとChampignon・マッシュルーム)&Spinat(ホウレンソウ)のリゾット。

私はHerr.Kが料理をするところを見るのが初めてだったので、何も逃すまい!と思いながら見ていました(人が作っているところを見るのは学ぶことが多くて勉強になります☆)
それを察してか、Herr.Kが説明付で作ってくれ↓
「キノコは味も存在感も出すために大きめに切って、弱めの火力でじっくりときつね色になるまでソテー。
ちょっとだけバターを加えて、ココでブイヨン。リゾットも加えたらナツメグ。。。」

仕上がったリゾットをHerr.KとAさんが試食し、「うん、(ナツメグで)パンチがある味だね」
Kちゃんも食べてみてよ、と勧められて一口。
コレが。。。本当にパンチの利いたリゾット!
入れ過ぎなのでは?!と思ったナツメグだったけれど、ナツメグの風味が強いということはなくて言葉通り"パンチ"のある味。
しかも、このリゾットにはほとんどバターが使われていないんです。私の知っているリゾットと全然違う…
米にバターが使われていないおかげでバターで仕上げられたキノコからふわ~っと優しいバターの香り♪
プリッとジューシーなキノコは存在感抜群でしたっ

一口食べていろいろな感想が湧きあがってくる私の前で、Herr.KとAさんがこんな話をしていました↓
「芯の残ったリゾットなんておいしくない。だからこれくらいの硬さで丁度いいと思う」とか
「バターとか生クリームとか今までは使ってたけど、オリーブオイルのリゾットもおいしい」というAさんに対し、
Herr.Kから
「バターを使うとまろやかになる。でも、そうすると全部がまろやかで他の素材が生きないんだよね。オリーブオイルだとキノコが生きるでしょ?!」
「Kちゃんはどう思う?Carmelo Grecoではどう作ってた?」

こういう時に必ずこういう質問が飛んでくるんです。
ミシュランの星付きレストランではどんな風に作っているのか、どんな味なのか。そう聞かれるたびにレストランの注目度の高さを実感する私。私自身は周りの人ほど。。。自覚がないんだけどね(苦笑)

「Carmelo Grecoではバターだけを使っていました。たくさん使うけれど、リゾットの仕上げにライム果汁を加えることでくどさを感じさせないリゾットができるんです。
私はこのリゾットは柔らかすぎると思うんですけど。。。」

正直、今まで作ってきたリゾットとは方向性の異なるリゾットだったけれど、美味しいと思いました。
ただ、柔らかすぎる!コレだけはなんだか言いたかった(料理長と副料理長に反対するのもなんだけど 汗)。もしこれがメニュー入りしても、こんなに柔らかいリゾットを作る自信がないもん。
(Pearlの時もCarmelo Grecoの時も、リゾットを作るのが上手いと言われていた私は、本当にアルデンテのリゾットを作っていたので… リゾットはやっぱりアルデンテの方がおいしいと思う)

まさか反論(?)するとは思っていなかった二人は当然のことながら驚いていたけれど、
私があまりにもハッキリと柔らかいと言ったために… 結局、芯は残っていないけれど歯ごたえのあるリゾットで仕上げる、ということになりました。
…って、私の意見が取り入れられるとは思わずホント驚きました。
私は別に自分の好みを言ったまでなんだけどね(汗)

恐らく、このリゾットは新しいメニューに加わるだろうとのことでした☆

それにしても、
この試作品づくりの一部を見ることができたのはいい経験でした。
Herr.Kが頭の中で計算し描いていたリゾットを実際に料理し、みんなで意見を言い合ってメニューへとつなげていく。
さらりと作っている裏側にはきっと今までの経験を詰め込んだイメージがあったんだろうなぁと思わせるものがありました。

今までは料理長や副料理長が完成させた料理を教わる、ということがほとんどでした。なので、今回のように試作の段階から試食させてもらったり意見を言わせてもらったり、それを元に改良していくという工程を踏むのは。。。楽しいかも☆
そしてこの日にも思ったのが↓
この時にHerr.K、Aさん、私のほかにもう一人コックさんがいました。
彼も一緒に試食していたのですが、Herr.Kが感想を聞くことは一度もなし! 副料理長とポスト責任者(といっても実際に私は前菜とデザートの担当ですが…)にしか意見を求めない、というところを見ていても、料理長はタテ社会の人なんだなぁと思ってしまいました。
(決してネガティブなタテ社会、という意味ではなく、責任者に決定権を与えるというか、立場にあった職務をさせるというか。。。)

この後、ついにHerr.Kの求める料理を知ることができましたっ