2017年10月の鹿児島の湯シリーズ、開始
薩摩川内市で日中に仕事を終え、メンバーと鹿児島空港へ向かう。
皆は羽田行きの飛行機まで空港内の居酒屋で打ち上がるのだが、ぼくは一人空港近くのレンタカー屋へ。
空港から近い温泉で宿をとるという選択肢ももちろんあったのだが、色々熟慮した結果、車で1~2時間はかかる出水市の山奥にある白木川内温泉の宿にまず向かって泊まることにした。
折しも悪天候で雨風が吹き、高速代をケチって下道で行ったため、途中からかなりエグい酷道を走ることになってしまった。
この日は素泊まりなため、途中のスーパー閉店間際に惣菜と酒が買えたのが唯一のラッキー。
灯りの無い山道では枝が左右から途切れることなく襲い掛かったり鹿が飛び出してきたりしたのを何とかかわしつつ、這う這うの体で宿に着いたのは日もとっぷり暮れた19時半頃。
一人でやっているご主人には20時までには着くと連絡しておいたので事なきを得たが、以後の写真は翌朝のものと着いた夜のものが順不同で混在しているので悪しからず。
白木川内温泉は二軒の宿が肩を寄せ合うように並んでいる。
一応それぞれの入口はこの分岐によって分けられているが、着いてしまえば完全なお隣であることが分かった。
宿泊することにした旭屋旅館は、この分岐を右に行く。
真っ暗な玄関奥の炬燵にご主人が猫を抱いて座って待っていてくれた。
なお写真が多くなったため、例によって建物周りと湯の記事を分けてお送りする。
白木川内温泉 旭屋旅館 <建物その他編>
「白木川内温泉」は「しらきがわち温泉」と読む。
この宿「旭屋旅館」を温泉マニアの中で有名にしているのは後述する足元湧出の温泉なのだが、もう一つ、鬼気迫るボロ宿ぶりでもトップクラス
西の旭屋旅館、東の喜楽旅館か
築40年とのことだが、中はそれ以上の経年を感じる。
どうも大木が倒れてきて家屋がかなり破壊され、雨漏りもひどくなってしまったままなかなか改装できずに付け焼刃で対応している内にこうなってしまったらしい。
宿泊料金は素泊まりで2500円。
一泊二食付きも対応できるそうで、その場合は5000円。
料金は魅力的だが、やはり相当にボロ宿好き、その辺の耐久性が無いと簡単にはオススメできないかも。
以下をご覧あれ。
宿泊の部屋は階段を上がって二階。
部屋に入る前に、廊下を観察。
部屋にトイレと洗面所はないため、どれだけ使えるのかチェックしておかねば。
トイレは・・・電気が切れていた(^_^;)
大の方はもちろんボットン式のため、これに灯りが無いと相当に怖い。
廊下の灯りを頼りに、ドアを開け放って用を足そう。
あ、ちなみに宿泊客はぼく一人だし。
洗面所はレトロなタイル式で蜘蛛の巣も見受けられたが、これは普通に使用可能。
ちゃんと蛇口から水は出た(全部出たかは不明)。
廊下のコーナーにはマンガ本もあるぞ。
よく分からないものも置いてあるが、まあ問題ない。
宿の外には小さな滝もあり、自然に囲まれた実によいところなのだ
それでは部屋の中へ。
角部屋の梅の間という名の部屋であり、宿の中ではよい部屋なのだろう。
建物正面から見たときの2Fの左側の部屋にあたる(はず)。
布団もきっちり畳まれており、ちゃんと浴衣も新品タオルもある。
シーツ関係も非常に清潔とまではいかなくても、ぼくは平気で寝られるレベル。
予約をする際に、テレビが壊れているが良いかと聞かれた。
せっかく近代的なテレビなのに、使用不可。
元よりTVは普段からそんなに見ない。
下の黒電話ももちろん現役引退済。
そして携帯の電波は通じないが、山の宿にはよくあること。
そんなこともあろうかと、本を持ってきているので大丈夫
まあ先↑のマンガ本もあるしね。
部屋の奥には板の間敷きのスペースがあるが、何故か座布団が散らかったままで使用しにくい。
日が落ちてるから外の景色も見えないので障子を閉めた。
なかなかワイルドだ
さらにエアコンが途中で作動しなくなった。
まあ季節的に無くても大丈夫なレベルである。
なおこれらは自分では納得して泊まっているので、宿に文句を言おうとしたり、評価を貶めようとしているのではない。
実際ご主人はとっつきにくい感じではなく、こんな感じで申し訳ないけどできればゆっくりしていってね~的な温かさがある、よい人だ
とは言え<温泉編>で少し述べる予定の、ちょっと気になる点もあったのだが。
海外旅行でもっとボロ宿を体験している人もいると思うし、部屋では虫やダニなどに悩まされることも無かったし、特に夜はなかなかおどろおどろしいもののオバケが出るわけでももちろんなく、体験的な意味も含めぼくはここに泊まって良かったというのが結論
御託はよいとして、持ち込んだ夕食を。
全部値引きシールなのはご愛敬
酒2つと合わせて約1300円也。
オニオンサラダは普通。
カンパチの刺身は、思っていた以上に美味しかった
身がピカピカで、歯ごたえも素晴らしい。
やっぱり九州の刺身醤油は甘いんだね~。
これはちょっと慣れなかった。
ゴーヤを炒めた惣菜。
にがごり炒めという名で、味噌炒めみたいで冷めてても美味しかった。
焼酎に間違いなく合う感じ。
この山芋天もフワフワで、温めたらもっと良かったには違いないが、冷めても酒のアテとして大活躍。
ビールの後は、もちろん焼酎。
このお猪口のついた小ぶりなペットボトルの焼酎を鹿児島ではよく見かけた。
首都圏では見たことが無いが、量もそこそこある(2合)し、お猪口は嬉しいし、ペットボトルは重くないのもよい。
湯と相まって、ぼくは快適で楽しい夜を過ごせた。
次は感動の温泉編。
白木川内温泉 旭屋旅館
鹿児島県出水市上大川内5002
0996-68-2812
素泊まり 2500円 (一泊二食付 5000円)
2017年10月宿泊