2016年10月青森の湯シリーズに戻る前に、久しぶりの寿司ネタを。
写真は多いが、備忘録的に。
目的地は地下鉄の江戸川橋駅から徒歩少し。
寿司屋感はまあゼロである
目立つ看板はこれ↓。
そう、ギャラリーである。
そしてこれ↓。
そうカフェなのである。
だがここが、ランチタイムとディナータイムに完全予約制で寿司屋「酢飯屋」となるのだ。
酢飯屋
寿司屋「酢飯屋」の看板は無い。
ご覧の印刷物が貼ってあるだけ。
今回はランチタイムに相方が予約した。
ランチは3500円コースと5000円コース。
ぼくの誕生日祝いを兼ねてということで、5000円コースに。
中に入っても、およそ寿司屋感はあまりない。
和風の暖簾やこだわりの酒瓶、販売している食品などで寿司は何とか想像できるレベル。
カウンターはなく、全てテーブルにて提供されるのも、常識的な寿司屋ではやはりない。
細かく見渡すと、ギャラリーでありながら、寿司屋にありそうなものも見受けられる。
これ↑は奥のギャラリーコーナー。
夏らしい作品が並び、違和感はない。
お酒は最初から日本酒を頼むことにした。
好きなお猪口を選べるのが楽しい。
手前に置いてあるのを選んだと見せかけて、実は違うものを選択。
さらに途中でまた変えるなど、日本酒好きとしては飲むだけでなく楽しめる
まず選んだ日本酒は、岐阜の百十郎から。
青波と呼ばれる夏酒。
以前自宅で飲んだことがあり、気に入っていたのだ。
先付は、夏野菜いろいろであった。
手前のオクラも緑と赤いものの2種。
奥右の白いのはかんぴょうである。
黄色いのはコリンキと呼ばれるカボチャのピクルス。
その向こうは半白キュウリ。
左はナスだが詳細は忘れた。
どれも季節感が十分感じられる。
コリンキのピクルスは特に印象的だった。
そして寿司、第一の皿が到着。
供される全ての寿司には仕事がされていて、醤油などつけずにそのままいただく。
ちなみに皿類は全て作家ものの一点もので、相方と全然違うものに乗せられてきた。
左から順番に。
シマアオダイ。
煎り酒での漬けである。
いきなりヤラれる美味しさ。
壱岐地方で獲れたアコヤガイの貝柱。
アコヤガイの寿司は初めてだった。
しろたまり醤油と酒をブレンドしたものに浸けてある。
エゾイシカゲガイ。
かなり珍しく、陸前高田で養殖しているものらしいが、美味しかったな~。
ハタハタ寿司。
もちろん秋田産。
いわゆるなれずしの原型となるものだそうだ。
酒のアテにたまらん旨味
キビナゴのオカラ寿司。
高知は宿毛地方の名産がキビナゴで、オカラに乗せて寿司にして食べるそうだ。
これ、オカラも絶品で大満足
このあたりですでに最初の酒が無くなった。
次の酒はこちら。
神奈川は海老名にある泉橋酒造のとんぼシリーズより、生もと仕込みの黒とんぼ。
これは常温でいただく。
猪口も錫製に変えて。
酒器的にこっちの方が美味しく感じるだよな、どうしても。
次は変わり寿司。
もずくに酢飯を載せてあるのだが、ただのもずくではない。
糸島市産の太もずくの逆転寿司。
食材の特徴状、仕方なくネタと酢飯が逆転しているのだ。
酒のアテとしては太もずくだけでも十分美味しかったが、寿司としても不思議に堪能。
第二の皿が到着。
また左からいただく。
メカジキの漬け、山椒の実のせ。
この山椒が転がってしまったが、追いかけて口の中にイン
脂の具合と山椒のシビレ具合がよいバランス。
キンメダイの粕漬け。
銚子港で上がったキンメダイだが、銚子は獲れる北限らしい。
粕漬けにしたものを寿司で食べることは非常に珍しいが、これは美味だった。
よく噛んでもらうように、酢飯は黒米にしたとのこと。
30秒噛んでくださいって言われた。
寿司オタクでもこのネタを見てすぐわかる人は少ないのでは。
マンボウ、しかも体重が2tあるというウシマンボウの腸の炙りである。
マンボウの腸はマンチョウと呼ばれ、愛好家の中では有名らしい。
見た目のように、いわゆる焼肉の上ミノと新タケノコの炙りの中間みたいな感じ…なかなか想像しにくいだろうが。
妙なクセなどないが味わい深く、美味しかったな~
ここらで変化球。
比叡山は延暦寺で作っている比叡ゆば。
上に乗せてあるのは醤油麹。
いよいよラスト、第三の皿。
店のしきたり通り、ここでも左上から。
サクラマスのタタキ、国産粒マスタードのせ。
川魚ではあるが、海にも出ていく。
これは海で獲ったものらしい。
渋川市の石坂えみさんところの、牛肉。
えみにかけてエミートと呼んでいるらしい(かなり宣伝された)。
内腿の部分。
題して、エミート内腿の焼肉タレのせ。
牛肉寿司、美味しいのはホント美味しい
見た通りのかんぴょう巻き。
かんぴょうは栃木産。
奥の方にのせてある胡麻が、喜界島産のもの。
国産の胡麻って日本で流通している0..1%しかないらしい。
微妙な国産胡麻の味わいの違いまではぼくの舌ではよく分からなかったが、かんぴょう巻きは美味しかった
納豆巻きはクタっとしないように、巻かずに出される。
この大粒納豆が美味しかった。
秋田は能代のヒヤマさんの納豆とのこと。
普段納豆巻きは食べないが、これならいつでも食べたい
最後の寿司はやはり煮アナゴ。
フワフワかつ味わい十分。
1mmに削られて乗せられた柚子がよい仕事をする。
お椀が出て来た。
先述のサクラマスで出汁をとり、具はシマアオダイと青海苔。
出すタイミングの連携が店側でもう一つうまく行かず、ちょっと冷めて届いた。
それでもよいダシ具合で、なかなかだった。
お茶も特筆すべき美味しさ。
実に美味しいなぁと思ってたら、島根の雲南市産とのこと。
そう言えば湯巡りで雲南市あたりに行ったときに飲んだ安い番茶もバツグンに美味しかった。
米も、豆系の豆腐やら油揚げやら、とにかくあそこのものは全て美味しかったな~。
また雲南市、行きたい
と言うわけで、今年のバースデーランチもなかなか贅沢をさせてもらえた
オーナーの岡田さんの姿は見えなかったので、いつかディナーにも行ってみたいものだ。
酢飯屋
東京都文京区水道2-6-8
電話 03-3943-9004
完全予約制
ランチ 営業時間
不定休 / 12時~13時30分
ディナー 営業時間
平日 / 18時30分~22時まで
土日 / 18時00分~21時まで
予約方法など詳細はサイトを参照
2017年7月来店