※2018年に災害で休業、その後2020年7月から「三瓶温泉 そばカフェ湯元」として営業を再開されてます。以下は2012年2月当時の内容です。
別に島根の温泉に限ったことじゃないんだろうけど、それでも玉砕率が高いというのをよく聞くのがこのあたりの温泉。
ぼくが未だに入れない湯抱温泉を初め、池田ラジウム鉱泉(一度撃沈、後にリベンジ)も小屋原温泉(宿泊を玉砕して立寄りに変更、後に宿泊もリベンジ)なども、周りで玉砕した人の話はよくきく。
ジモ専とか外来不可とか表立ってアピールしてるわけではないのに、こちらの気の緩み、何とかなるだろう精神で訪れるとNGを喰らうことがあるのだ。
そんな湯の一つが三瓶温泉「湯元旅館」。
立寄りしようとフラっと訪れたらかなりの確率で入れないらしい。
そんな噂をさんざん聞いていた。
同じ轍を踏まぬように、「湯乃上館 」に宿泊しながら宿に電話をする。
しかし、一向に電話は繋がらなかった。
やっぱりハードルが高い湯なんだなと諦めつつあったのだが。
しばらくして見知らぬ携帯番号から電話がかかってきた。
とりあえず出てみたら、「湯元旅館ですが」との声。
何と着信履歴(留守録ではない)を見て、宿の電話からでなく女将の携帯から折り返しの電話をかけてきてくれたのだ!
こんなことは初めてである。
ぼくの声はちょっと上ずっていたかもしれない。
とにかく「立寄りでお湯をいただきに伺いたいのですが」と切り出す。
「いいですよ。何時に来られますか?」
瞬時に色んなことを計算して、「では16時頃でいいですか?」
「どうぞ、お待ちしてます」
かくしてアポイントがとれ、不安なく「湯元旅館」に向かうこととなった。
そしてこここそ、本当の三瓶温泉劇場であったのだ!![]()
三瓶温泉「亀の湯」 を出たのが15時45分過ぎ。
ちょっと分かりにくいところにあるという話も聞いていたので、迷っているヒマはない。
前回登場した向かいの小型スーパーのおばちゃんに湯元旅館の場所を尋ねた。
メインの温泉街から少し先を入ったところにあるらしい。
「鶴の湯」などを抜けしばらく行くと、「湯元旅館」の方向を示す看板がある。
考えてみれば源泉に一番近い宿のわけで、湯アンテナを張ればおのずと導かれるのだ![]()
しばらく進むと宿に到着。
入口の手前からはいきなりドバドバと湯が投じられている。
そしてオレンジ色の沈着。
今までの三瓶温泉ではここまでの色付きはない。
これは浴室に期待が膨らむ!
いや、水ではない。
温泉だ。
三瓶温泉の源泉が上から流れてきているのだ。
ではいよいよ三瓶温泉の本質へ。
三瓶温泉 「湯元旅館」
宿に入り、ごめんくださいと声をかけたのが16時ピッタリ。
我ながらよい読みだ。
奥から先ほど電話をくれた女将が出てきた。
感じのよい話好きな感じの女性だ。
「どこからいらっしゃいました?」
「自分は○○から」
「○○からのお客さん、意外と多いんですよ」
そんな会話をしながら浴場へ案内してもらう。
入口上には古い分析表が掲げてあった。
浴場は家族風呂形式と言うのか、小ぶりなものが2つあり、どちらも自由に入ってよいとのこと。
完全貸切である!![]()
まずは向かって左側の浴室へ。
扉を開けると湯気で真っ白だ。
そして湯がスゴイ勢いで流れるドバドバサウンド!![]()
写真では分かりにくいと思うが、岩の浴槽からスゴイ勢いで湯が溢れている。
湯の投入量に対して湯船が小さすぎるのだ。
床はオレンジ・茶色系の沈着と析出物が。
湯気をはらいながら湯の色を見ると、ややオレンジがかった暗い黄茶緑色に見える。
湯の温度はおそらく38度ぐらいはありそう。
「亀の湯」よりか温かい。
加温のバルブもあったが、もちろん源泉のまま入ることにする。
入った途端、浴槽の底からオレンジ色の沈着物がとどめなく沸き起こる!
湯はあっという間にオレンジジュースのようになった。
長野は松代の加賀井温泉のようだ。
湯口に寄ってみると、まるでペンキで丹念に塗りこんだようなオレンジ色。
そう、この鉄分由来の成分を含むのが元来の三瓶温泉の源泉である。
金気臭と鉄味もしっかりある。
炭酸の泡も見てとれると思う。
淡い塩味もあった。
それにしてもこのドバドバはなんだ。
思わず笑ってしまった。
…だが笑うのもつかの間、右側の湯はそんなもんじゃなかった!
脱衣所の内側の扉から右側の湯に移動できるのだが、浴場に続く扉を開けると違う音がする。
ドバドバサウンドはもちろんするのだが、時折「ゴォ~っ」とか「ゴボゴボ~っ」とか、明らかにかけ流しの音だけでない異様なサウンドが浴室リバーヴでもってかなりの音量で響いてくるのだ。
息を飲みつつ浴場の扉を開けた。
パッと見たところ、確かにかけ流しの量はモノすごい。
湯の色は左の湯の最初と同じように、まずは黄茶緑色。
あまりの勢いで床にこぼれている湯が流れ去る前に5cm近く溜まってしまい、これが穴に流れ落ちる音がきっと「ゴォ~っ」なんだろう。
そうこうしてると、あの「ゴボゴボ~っ」て音が…!
おお、浴槽の湯が勝手にのた打ち回り始めた!
足元湧出ではないのだが、源泉のパイプを直に浴槽の下に送り込んでいるらしく、源泉の不規則な湧出リズムによってこのように下から噴き出すのである。
この写真は別にぼくが偉大な屁をひったわけではない![]()
屁ではないが、炭酸由来の刺激臭、苦酸味も少しある。
それにしてもこの姿、まるで会津の大塩温泉の季節限定露天風呂 のようではないか!
ゴボゴボ~、ゴォ~、ドバドバ~三重奏が鳴り響く様は、まさに爆音浴室内楽コンサート。
噴き出す炭酸の荒い泡に全身まみれながら、しばし極楽に行っておりました![]()
三瓶温泉の源泉から一番近いここ「湯元旅館」。
源泉の表情のまま入れるところはここだけなのだ。
風呂から上がってまた女将と話をした。
気候が良い頃だと長靴を履いて源泉探索ができるそうである。
毎分2500リットル噴き出す様が体感できるそうだ。
これは何とかして行かねばならない。
そして泊まって女将ともう少し話がしたい。
三瓶温泉「湯元旅館」
島根県大田市三瓶町志学ロ931-5
0854-83-2215
入浴料 500円
ナトリウム-塩化物泉(低張性・弱酸性・温泉)(含塩化土類・食塩泉)
39.2度
2500リットル/分・自然湧出
黄茶緑色に濁りだが、赤橙色の沈着多数
入浴していると湯の色も赤橙色になる
金気臭と弱炭酸刺激臭あり
微苦酸味、鉄味、微塩味あり
右側の浴槽で大量の泡付きあり
完全かけ流し











