『パラダイスィー8』雪舟えまさんインタビューのお仕事 | フリーライター 熊谷あづさの雑記帳

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ただいま発売中の『週刊女性』にて
新刊『パラダイスィー8』(新潮社)を上梓された
雪舟えまさんのインタビュー記事を書かせていただきました。


雪舟えまさんは

2011年に歌集『たんぽるぽる』を出版されている歌人でもあり、
小説家でもあり、さらにバンドのボーカルでもあり
多彩な活動をなさっている作家さんです。

『パラダイスィー8』には
失恋で心身ともにボロボロになった人に支給される
“失恋給付金”にまつわる物語の『失恋給付マジカルタイム』、
睡眠不足の人に代わって良質な眠りをチャージする
“睡眠士”が主人公の『おやすみ僕の睡眠士』など、
パラレルワールドの日本の日常を描いた6篇が収められています。

雪舟さんは、2011年2月に
13年間も一緒に暮らしたうさぎのにんにさんを亡くしたそうです。

大きな喪失感や悲しみを抱えながらも
日常の仕事や人間関係を続けなければならなかった経験から
失恋給付金をもらえる物語が生まれたのだと話されていました。

標題作の『パラダイスィー8』は
亡き配偶者と夢の中で再会し、
生前と同じように関係を深めていく物語なのですが
この作品も、にんにさんの影響を強く受けているそうです。

なんでも、にんにさんは、
四十九日の前後に雪舟さんの夢に登場し
「僕は孔雀になりました」と報告してくれたのだそうです。

にんにさんいわく、
ペットは人間のおもりをするためにこの世界にやって来ており
にんにさんはがんばって雪舟さんの面倒をみたことで
向こうの世界で出世して孔雀に昇進(?)したとのことです。

もう何度も、ブログに書かせてもらっているように
わたしは、1月に14年も一緒に暮らした猫のマッシュを亡くしています。

それだけに、雪舟さんの描く物語も、インタビューのお話も
ものすごく心に沁みました。

マッシュはほとんど、夢にも出てきてくれないのですが
もしかしたら、向こうの世界で
昇進試験みたいなものを受けているのかな、とか
いつかまた、夢で逢える日が来るかもしれないな、と思うことで
心がとても慰められます。

雪舟さん自身、
世間一般の価値観にうまくなじめない自分に生きづらさを感じ
もっとラクになる考え方やラクに生きられる世界を

求めているのだそうです。

だからきっと、雪舟さんの物語は、どれも温かくてやさしくて
読んでいるうちに、自然と心がゆるむのかもしれません。

特に、心が疲れたときに『パラダイスィー8』を読むと
温かくておいしい飲み物を飲んだときのように
心身ともにホッとできるのではないかと思います。