合衆国最後の日 | バツイチアラカンオヤジの映画日記

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観た映画やドラマ、その他について、基本的にネタバレ無しで!無責任に感想を書き留めていきます。あらすじはコピペせず自分なりの文章でボケ防止を図りっているので当てにならないかも?!

このポスターがとっても印象に残ってます。当時、多分小4くらい。今のようにネットはなかったしTVで映画を紹介する事は意外に少なく情報量も微々たるもの、自然とポスターやチラシからその作品の勝手なイメージを膨らませ見たいか?見ないか?判断していた様に思います。

結局この作品は劇場には観に行かず仕舞いで何年か後にTV放送されたのを見た筈でした。でも面白くなかったって印象だけが大きく残っていて内容はほぼ忘れてましたね。多分、子供の頃の自分にはハード過ぎた内容だったんだと思います。今回観てそのイメージは逆転してワクワクしながら観る事が出来ました(≧∇≦)

モンタナ州のICBM発射サイロが占拠された。首謀者は無実の罪で服役中だった元空軍大佐デル(バート・ランカスター)。デルは発射サイロを熟知しており核弾頭付ミサイル9基を手中に収めた。彼の政府への要求は現金1000万ドル、ベトナム戦争の隠された真実の公表、そして国外逃走時の保険として大統領(チャールズ・ダーニング)の身柄を要求してきた・・・

ミサイル発射サイロを占拠って設定だけでも盛り上がるのに首謀者デルの動機がまた盛り上げてくれます。金銭目的でもなく、まして復讐でもない、純粋な愛国心が彼を行動に駆り立てた。彼が職務の上で知ってしまったベトナム戦争の真実。国家による国民への重大な裏切りだと感じたデルはその事実を公表させ国家の信頼回復を図りたかった。一方、現政権ではデルの要求で初めて議事録を見つけ出しその重大な真実を目の当たりにします。公表すれば大スキャンダル、国家の威信は失墜。何としても公表は避けたいがデルはICBM9基を手中に真実の公表だけは絶対的な要求だと突っぱねる。

多分この辺りの政治絡みのくだりについて行けず子供の頃の自分には退屈で低い評価に至ったんだと思います。

画的にも見所充分でサイロ占拠の描写やミサイル発射キーが保管された金庫のナンバーを巡る攻防、見せ場は特殊部隊の小型核によるサイロ破壊作戦の顛末、発射サイロの扉が開き煙を上げながらミサイルが顔を出してくるシーンは画面分割を用いて各登場人物を同時に描写してに汗握る緊迫感を味わさせてくれました。

もう一人の主人公である大統領。彼が陥る窮地はかなり見ものです。デルが引き起こした絶対的な危機に自分の優秀なブレーン達と何とか事態の好転を図り議論を重ねますが、いつしか議論の雲行きは怪しくなり信頼していたブレーン達によって大統領は思いもしなかった選択を採らざる得なくなります。自室に籠もった大統領が側近であり友人でもあった筈の軍人から罵られケツを叩かれる様は何とも哀れです。

「自分の何代か前の大統領のツケを何故、自分が、支払わなければならないのか!?」感情的な大統領はリアルでした。結局、大統領とは器であって中身はいつでも入れ替えられる、そんな興味深い図式が見えてきます。

 

ラストはほぼほぼ予想通りですが、、、

ただ、この物語の最も重大な一点「デルと大統領の望みは叶えられたのか?」

大統領の命を受けていた人物の、あのどちらとも捉える事の出来る表情が観ている此方を唸らせる秀逸な幕切れでした(≧∇≦)

 

「合衆国最後の日」 オススメ度 ★★★★

 
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