クラウド アトラス | バツイチアラカンオヤジの映画日記

バツイチアラカンオヤジの映画日記

観た映画やドラマ、その他について、基本的にネタバレ無しで!無責任に感想を書き留めていきます。あらすじはコピペせず自分なりの文章でボケ防止を図りっているので当てにならないかも?!


「マトリックス」のウォシャウスキー姉弟と「ザ・バンク堕ちた巨像」のトム・ティクヴァ監督がタッグを組んだ172分に及ぶ長編大作。
トム・ハンクスを筆頭にハル・ベリーら俳優陣が一人何役も演じているとか、いくつかの物語が同時進行で描かれており難解だとか、って話位は耳に入っていたこの作品。
「いつかじっくり観よう」と予約録画をしましたが、「なんか面倒くさそうだから今日はパス!」
「あっ!今日は時間がないや!テヘペロ」てな具合で早3か月www
レコーダーのHD容量が一杯いっぱい!もう予約録画出来ませんな状況に気づき「お!これ尺長そうだから観て消せば容量増える!!!」的な理由でやっとこ鑑賞です。


オープニングから10分くらい?場面転換が目まぐるしく全く物語が読めずにパニックになりましたwww
6つの時代の6つの物語を唐突なシーン切り替えで進行されるので、序盤はやっぱりわかりずらいです。てか、あえて観客を混乱させている?もしくは物語に集中させるさせるためのテクニックだったんでしょうか?
でも30分も観ていれば判ってきます。6つの物語の主人公が頭に入っしまえばあとは簡単。
そんな訳で6人の主人公とあらすじは以下の通りです。

①1849年 弁護士アダム(ジム・スタージェンス)
妻(ペ・ドゥナ)の父親の依頼を受け奴隷貿易を任された彼は奴隷商人との契約を済ませ船旅での帰国途上。体調を崩した彼を医師グース(トム・ハンクス)が治療し続けるも何故か回復の兆しなく、そんな時に船室に隠れていた奴隷の密航者が姿を現すが、、、

②1936年 同性愛者の青年音楽家(ベン・ウィンショー)
恋人シックススミス(ジェームズ・ダーシー)の元を離れ音楽家として生きていく事を夢見た彼は名作曲家の採譜係りとして雇われる事に成功。仕事は順調、自身で作曲にも取り掛かり「クラウド・アトラス六重奏」の創作し完成も間近だったのだが、、、


③1973年 三流誌の記者レイ(ハル・ベリー)
物理学博士となったシックススミスから情報提供を持ち掛けられた彼女、約束の部屋に出向くと博士の遺体を発見、とっさに手にした書類から原発にまつわる陰謀があると目星をつける。調査を進める彼女であったが命を狙われる出来事が起きて、、、

④2012年 老編集者ガヴェンディッシュ(ジム・ブロードベンド)
粗暴な作家ダーモット(トム・ハンクス)はあるパーティで以前から目の敵にしている批評家を殺害し一躍時の人となった。彼の著作を扱うガヴェンディッシュはお陰で大金を手に入れるが暴力的なダーモットの兄弟達に大金を要求される。困り果てた彼は疎遠だった兄の勧めで老人介護所に入所し身を隠したが、そこは刑務所のように自由を奪われる場所で、、、

⑤2144年 複製種(合成人間)ソンミ451(ペ・ドゥナ)
未来世界では遺伝子操作で誕生する複製種が人間(純血種)の定められた厳しい戒律に縛られ労働力として酷使され、奴隷そのもの存在であった。ソンミ451はあるきっかけで純血種達の娯楽、映画の一部を垣間観てから自分達の境遇に疑問を抱き始めた、、、

⑥2321年 島の住民ザックリー(トム・ハンクス)
殆どの文明が崩壊した世界、ある島では人食い族におびえながら暮らすザックリー達が女神ソミンを信仰の象徴として崇めながら素朴な生活を営んでいた。彼らの元に「昔の人」の技術を持つプレシエント族のメロニム(ハル・ベリー)が訪れザックリー達にある協力を求めるが、、、

この6つの物語を大胆な編集と場面転換で描いており、俳優達はそれぞれの物語の中で様々な登場人物を演じ輪廻転生を映像化しています。
例えば1973年の主人公が絶体絶命の危機に直面、どうなる???と、思っていると2144年の主人公が危機に立ち向かう姿に場面が変わる。そんな印象的な場面切り替えが多用されていて
慣れると面白かったです(#^.^#)
トム・ハンクスは1849年では医師、1936年では安ホテルの受付、1973年では原発職員、2012年では粗暴な作家、2144年では劇中写される映画の主人公、2321年は主人公ザックリーと輪廻転生を一人で何役も演じることで描いてはいますがその人物達には因果関係は無く少し物足りなさを感じます。日本人が輪廻転生を考える時には多分一緒に因果応報もセットで思い浮かべると思いますが、それがこの作品では皆無なんですね。
不思議だなと思いました。折角の大作で俳優達に一人何役も演じさせているのに、勿体ないなと((+_+))
で、いろんな方のレビューを読み漁っていたところ答えを見つけたような気がしました。
キリスト教圏の人々にとって輪廻転生、同じ魂が何度も甦って人生を繰り返す。その考え方自体がタブーなんだそうです。
キリスト教の教えでは人生は一回限り、死者の魂は最後の審判の日までじっと墓場で待つことになっているらしいです。
キリスト教圏で製作されたこの作品では輪廻転生の発想を映像化するだけでもインパクトがあるものだったんですね(#^.^#)
輪廻転生の考えが身近な仏教圏に生きる自分にとっては、その事が結構な驚きでした。
どの物語もそれぞれ面白いんですが私的には④と⑤辺りが楽しめました。


しかしペ・ドゥナは綺麗な人です(#^.^#)この作品の当時33歳位な筈なんですがあの美貌は驚異的ですね♪
愚かな序列を創り、弱者を虐げ搾取し弱肉強食を際限なく繰り返しながら僅かづつ昇華していく人類を描いたこの大作、かなり見ごたえのある長編ですが一見の価値はありました(#^.^#)

「クラウド アトラス」 オススメ度 ★★★


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