皆様ごきげんよう。怒り方コンサルタント、矢野です。初めましての方はようこそ。私の自己紹介はこちらです。冬は本を読むのに適した季節だと思います。

 

  

 皆様は、言葉でのコミュニケーションは得意な方ですか?わりとすれ違いますか?いずれにしても知っておくと日本語の楽しさや難しさが増す本を読んだので、今回は読んだ本について書いていきます。

 

 最近、気になったので読んだ本がこちら。

『世にもあいまいなことばの秘密』 川添愛著 2023年ちくまプリマー新書

 

 

 私は怒りの専門家として、怒りの伝え方に並々ならぬ関心を持っています。しかし、言った言葉がその通り伝わるとは限りません。ではどうすれば、どう伝えればいいのか?について、この本はある答えを示してくれました。

 

 

 その答えとは、「こういえば伝わるだろう」を無くす、ということです。相手はいい感じに理解してくれるし、自分の理解は正解だ、という期待をなくす、と言い換えてもいいでしょう。それほどあいまいな言葉は日常にあふれているのです。

 

 

 言葉のあいまいさにはいくつか種類があって、この本はその種類ごとに例を挙げながら解説してくれています。お時間があれば、リンクから本の目次を見てみてください。思ったより種類があります。

 

 

 目次には書いてありませんが、あいまいな言葉のすれ違いをコントにするアンジャッシュにも触れています。

 

 読みやすい平易な文章で、各章ごとには【この文はどう解釈できるかクイズ】が用意されており、今まで、なかなか薄氷の上であやういコミュニケーションをしていたのだと実感できます。

 

 言葉をどこで区切るか、それはYESとしての「結構です」なのか、その言葉の主語は誰なのか、まとめて書くとどう誤解されやすいのか、「レジ袋お持ちじゃないですか?」という疑問形の言葉がどうして答えにくいのか、「喉乾かない?」など言外の意味を含む言葉はどうあいまいさを生むのか、大変興味深く読みました。

 

 

 ちなみにこの本を読んで浮かんだのは、作家【中島らも】さんがスポーツ新聞か何かの見出しで『中島らも、もはやダメだ』のようなことが書いてあるのを見て、自分はもうダメなのかと勘違いした、というエピソードです。

 

 新聞の見出しとしては、「視聴者らも参加」「首相らも見学」のように「~たちも」を示す「らも」で、全く別の中島さんたちの今後に期待できない状況になった、という意味なのですが、ちょうど人名と被ったためにとんでもない誤解が生じたのです。

 

 私はそのあとしばらく『汚職に○○らも関与』などの言葉を見かけると、誤解&失礼であることを承知で「らもさん何かしたのかな」とちょっとワクワクするようになってしまいました。どうでもいいですね。中島らもさんの作品では「今夜、すべてのバーで」がお気に入りです。

 

 

 話を戻して、怒りの専門家として一番ためになったのは、指示や依頼の時にどうすればあいまいさが減るか、という内容でした。

 

 これを書いてしまうとネタバレになるので控えますが、これは相手の行動を促す以外にも効果があったのかと、より伝える事に対しての解像度が上がりました。

 

 

 指示や依頼の際のあいまいさを減らす方法を知りたい方は、ぜひ【アンガーマネジメント叱り方入門講座】にお越しください。怒りに限らず、伝え方の引き出しはなんぼあっても困りません。そうでしょう?

 

 

 いかがでしたでしょうか。今回はあいまいなことばの落とし穴に気づかせてくれる本について書いてみました。

 

 自分がこういう意図をもって伝えたのだから伝わるだろう、という期待は、実はミスコミュニケーションを招くのかも知れません。

 

 相手がこういったから、この理解が正解だろう、と自分だけで判断してしまうと、あとあとすれ違いが起きてしまう恐れがあります。

 

 

 あいまいなことばの良さが活きる場面と、正確な言葉が必要な場面を見極めて、適した言葉が使えるといいですね。

 

 この本は日本語を学ぶ上でも普通におすすめなので、もしよければ手に取ってみてください。

 

 

 

 

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