モボ・モガ | 死語辞典by九条唯子

死語辞典by九条唯子

Laughter makes good blood.

新タイトル

こんにちは、九条唯子です。

雨やら風やらで、午後からは肌寒い感じでございましたね。

わたくしは、自宅のアルミサッシの取替工事日でございました。

窓際の家具を移動させたついでに、少々部屋を模様替え。

そっちに夢中になって、ついつい更新が遅くなってしまいました~。

モボ・モガ

さて、本日の死語は『モボ・モガ』。

前回からファッションつながりでございます。



かのDCブランド華やかしき時代、

デザイナー稲葉賀恵さんによる

「MOGA」というブランドがございました。

おそらく、『モボ・モガ』に由来していると思うのです。



そして、『モボ』。

♪俺は村中で一番 モボだと言われた男~

で始まる懐メロご存知ないでしょうか?

タイトルは「洒落男」と言います。



オリジナルはアメリカのシンガーソングライター、

フランク・クルーミットによる1920年代の楽曲

「ゲイ・キャバレロ(A Gay Caballero) 」。



この曲に、日本語の歌詞が付けられたのが「洒落男」です。

1930年代に二村定一によりレコード化されました。


つまり、『モボ』とはモダンボーイ、

『モガ』とはモダンガールの略なのです。

大正末期から昭和初期にかけて流行した、

おしゃれな若者を指す言葉でございました。



では、実際にどんなファッションだったかといいますと、

これまた「洒落男」を参照します。

♪山高シャッポにロイド眼鏡 ダブダブなセーラーのズボン…



『モガ』は歌詞に出てこないのですが、

スカート丈はひざ下のミディアム~ロング。

帽子はクロッシェ、髪はボブやショートだったようでございますよ。



昭和中期以降は、モダンという言葉自体が死語化。

今では、お好み焼きの「モダン焼き」にしか

使われていないのではないでしょうか。



吹く風や昭和は遠くなりにけり。


そんな気分でございます。



モボモガ









文末の句もどきは、俳人・中村草田男氏の

「降る雪や明治は遠くなりにけり」のもじりでございます。

明治生まれの草田男が、東大生のときに

母校の小学校を訪れた際に作った句だそうです。

ところで、俳号の「草田男(くさたお)」は、

親戚から「おまえは、腐った男だ」と

詰られたことに由来するのだとか。

どうりで、ちょっと変わった俳号だと思っておりました。


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