「カムフロムアウェイ」2回目 | kujakuのブログ

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「カムフロムアウェイ」2回目を見てきました。

初見では展開の早さと全員のパワーに圧倒されたけど、今回は個々の役の細かい演技に目がいきました。

そしてやっぱりぼろ泣き、でも笑えるシーンもたくさん。

キャストごとの感想(年齢順に並べるべきかと思ったけど、公式の通り五十音順で)

 

1 安蘭けい

ダイアンが少しずつ束縛から解き放たれていく感じが分かる。

禅さんと2人で歌うStop the World、前回は特に泣かなかったのに今回は涙がこぼれて仕方なかった。

 

2 石川禅

自分の人生仕事に捧げてきたのに、会社からは何とも思われてなかったと知ったショック。

会社人間だった人が定年近くなって気がつくとか、日本人の特に男性にありそう。

シルビア姉の夫役もだけど、気の良さそうなおじさん役が似合う。

他のみんなキャラが濃いからホッとする。

 

3 浦井健治

ケヴィンTの明るくて愛されキャラっぽい感じがいい。

浦井くんはダグバの時から白くて天真爛漫な雰囲気がある。

逆境にあってもふわっと流せる強さや人当たりの良さ、それが経営者としての強みでもあり人としての魅力でもあるのだろうけど、いっぱいいっぱいのケヴィンJにはダメだった。

割と博愛主義者なんだろうな、すぐ次の彼氏見つけてたし。

Prayerの透き通った歌声が心に響いた。

Tとは違って、バス運転手は粗雑な感じ。

和樹さんのムフムザ、原文だと「大きな男が低い声で後ろから呼びかけた」(確かに)、しかも何言ってるか分からないって怖いよね。

 

4 加藤和樹

前回見たときよりボブが若くなってて、20歳そこそこのごく普通の青年感が増してた。

ごく普通って実はすごく難しい、キャラ濃い方が作りやすいから。(そして和樹さんには珍しい)

財布やBBQグリルでびくびくするところはきっちり笑いを取ってたし、もともと陽気な青年らしい感じがスクリーチインで出てたし、最後寄付金募るところでは誰より変わったのがよく分かった。

アネットの妄想機長、心臓外科医(これは男性全員)、ロビンは逆に全振りしたキャラの濃さ。

オネエ感ましましのロビン、スポット出演なのに気になる。

 

5 咲妃みゆ

ジャニスはストーリーテラーぽい役割なのに、きちんとキャラ立ちしててセリフも聞きやすい。

華奢で見た目は弱々しく思えるけど、中身はしっかり骨太。

アリに対してあまりに偏見に満ちた態度をとるCA、怖いけど彼女は彼女で仕事に対するプロ意識なのかもしれない。

機内でいきなりシャツをはだける酔っぱらいの乗客、潔すぎです。

隣の礼音くんにあなたも一緒に!って誘って断られてた。断るでしょ、普通。

ウォルマートの店員、ほわわ~っとした不思議ちゃんで、家に誘われた禅さんちょっと困ってた。

 

6 シルビア・グラブ

動物より人間優先って考える人ばかりの中で、1人で(夫は巻き込んでたけど)奮闘してた。

ワンワンにゃーにゃーの声の主(浦井くん、みゆちゃん)ちゃんと確認できました。

 

7 田代万里生

ケヴィンJ、実家に電話したり機内でパニックになってる礼音くんを怒鳴りつけたり、終始落ち着かない。

最初はTに対してもちょっとしな作ってみせたりしてたけど、段々余裕がなくなって行ってた。

きっと初めはTの鷹揚なところに惹かれてたのだろうけど、それが無神経と感じるようになったらダメ。

最初はタイタニックごっこしてたのに。

J以上に印象が強いアリ。

必要以上に語らないのは、そうせざるを得なかったから?

アフリカ人夫婦が聖書を通じて分かり合ってる中、最後まで辛い目にあって。

アリは歌のナンバーないけど、それでもアリのシーンでは泣けた。

ガンダー市民の時の粗野なだみ声が珍しい。

 

8 橋本さとし

ポンコツ町長が憎めない。

メンバー全てが放っておいたら悪目立ちするぐらい個性強いのに、ちゃんとアンサンブルぽく存在してる。

かと言って目立たないわけでもない、絶妙なバランスがすごい。

疑心暗鬼のボブの心を開いてくれたアップルトン町長もいい。

 

9 濱田めぐみ

圧倒的歌唱力で歌い上げて、感動しかないビバリー機長。

辛いこともいいこともいろいろあった彼女の人生、Me and the Sky、泣けて仕方ないナンバーです。

原文だとsuddenlyを連呼するのだけど、彼女自身がものすごく頑張ったのと同時に運もあったと言ってるようで、結婚して子供も生まれて、その陰には夫その他味方してくれた人がいるはずで、でも自分ではどうすることもできない不運が襲った。

それでも最後、力強く飛び立つビバリーは本当に格好いい。

アネットは正反対で夢見る女の子。

ブリストル機長が実際にどんな人だったのか、忙しすぎて妄想くらいしたいよね。

心臓外科医のイケメンズもアネットの妄想?

 

10 森公美子

ハンナはどうやっても泣くしかない。

最後言葉少なに死んだって報告するところ、分かってても嗚咽を禁じ得ない。

森くみさんの持ち味が明るいから、ギャップがさらに悲しい。

 

11 柚希礼音

ビューラはお節介焼きにも見えるけど、全然押しつけがましさがなくて、礼音くんの持ち味の大らかさがにじみ出てる。

時たま出る方言もやわらかさを増してる。

ハンナにそっと寄り添って下手なジョークを言ってみたり、誰からも拒絶されてたアリを受け入れたり、なんていい人。

そしてそれを事も無げに演じる礼音くんがすごい。

 

12 吉原光夫

吉原さんはラビありきでキャスティングされたのかと思った。

ムスリムもだけどジューイッシュもつらい立場で、橋本さんの隠れユダヤ人が語るところ、美談だけで終わらないリアリティがある。

一転スパニッシュを踊る教師の色の濃さ。

強面ポリスなのにビューラにつかいっ走りさせられてる。

 

同時進行でいろんな話が進んでいくし、セリフのないところでもちょっと見てないと何かが起こってる。

是非DVD化してもらいたいし、その際には全員のスターアングルを入れてもらいたい。

2回見たけどきっとまだ見落としてるところあると思うし、見たけど書ききれてないこともたくさんある。

機内で立ち上がったとき上の棚に頭ぶつけるボブとか、お尻のポケットから帽子がチラ見えしてるボブとJとか。