「COME FROM AWAY(カムフロムアウェイ)」の感想 続編 | kujakuのブログ

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宝塚、ミュージカル、ストプレなどの舞台、DVDやドラマなどの感想を主にUPしています。

キャストごとの感想をメインに、がんがんネタバレありで語ります。

基本になってるガンダー市民のてんやわんやがとてもリアル。

能登の震災で問題になってた女性の生理用品問題、こんな以前からアメリカでは普通に語られていたのかと思うと、日本ってなんて遅れてるんだと痛感する。

あと動物関係も。

人間優先なのは分かるけど、動物だって命。

絶賛ストライキ中のバス運転手の浦井くんとか、テンパりまくりの新米キャスターのみゆちゃん、本当にいろんな人がいた。

 

1 森くみさんのハンナ、この作品の中で一番泣けて仕方がなかった役です。

すぐにでも駆け付けたいのに何もできない、電話の前で待ってても何も変わらないけど、待つしかできない。

I am here、この曲を聴くだけで泣けて泣けて、涙ボロボロって言うか嗚咽してしまった。

芝居見てこんなに泣いたの初めてです。

 

それに寄り添う礼音くんのビューラ。

お世話係の筆頭としてあれこれ取り仕切ったり、傷心のハンナに寄り添ったり、ともすれば鬱陶しい人になりそうなのに、全然押しつけがましくない懐の大きさを感じる人。

慰めるためにつまらないジョークを言うなんて、日本人にはできない対応だなって思いました。

これだけで1つの物語が出来上がる。

 

2 瞳子ちゃんのダイアンと禅さんのニック。

人生も折り返しを過ぎて、このまま何となく人生を過ごしていくのかなと思ったときに出会った2人。

ダイアンは変わるきっかけが欲しかったのかもしれない。

禅さんはキャラ濃いメンバーが多い中で、肩の力を抜いて見れる。

機内や室内を表していた椅子が、デートの時は断崖の絶景になるのが面白い。

湿っぽくなくて、アメリカっぽいラブロマンス。

 

3 明るくて人懐こい浦井君のケビンTと、まじめで融通の利かない万里生さんのケビンJ。

もっとラブラブするのかと思ったらそんなことなくて、タラのキスがもとで2人の温度差の違いが明確になってしまう。

いや今J出てったよ?Tいいの?って思ったら、全然よくなかった。

それにしても卑猥な秘書ってどうなの?

韻を踏んでるんだろうと思うけど、英語だとなんて言ってたんだろう?sexy secretaryとか?

 

ケビンTは最後にロビンって言う素敵なお相手を見つけたけど、Jのその後は分からない。

って言うかロビン・・・最後の最後に和樹さん、すごいキャラ突っ込んできたな。

 

4 濱めぐさんのビバリー。ソロで歌い上げるのはここくらい?

何と言われても、どんな扱いを受けてもパイロットになるんだと強い意志を持って、実際夢をかなえた女性。

自分の仕事にとても誇りを持っていて、芯が強くて、高らかに歌い上げるのが格好いい。

自分が愛してやまない飛行機が、知人のパイロットもろともテロの材料に使われることへの怒りと悲しみ、ハンナに次いでぼろ泣きシーンでした。

 

5 個人的にケビンJ以上に万里生さんの役で印象に残ってるのが、イスラム教徒のアリ。

和樹さん演じるアフリカ人とは言語が違っても聖書を通じて分かり合えたのに、アリは最後まで酷い仕打ちに合い続ける。

テロの首謀者がイスラム過激派だからと言って、一般のムスリムは全く無関係なのに。

でも何かあるたびに無関係な人たちへ憎悪の念を抱くのは世の常。

コロナ禍にも、中国人のせいにする人をたくさん見たし、挙句の果てに同じ日本人同士でも他県の人を排除しようとしてた。

 

アリは辛い目にあっても反論しないし、波風立てないように一歩引いている。

みゆちゃんのCAの頑なな態度も怖い。

ハートウォーミングな物語の中で、最後まで気持ちがチリっと痛むエピソード。

 

吉原さんのユダヤ教徒のラビも印象に残ってる。

彼をキャスティングしたのは、このラビ役のためなのかと思う。

スパニッシュ踊る教師もなかなかインパクト強かったけど。

 

6 いつもは闇落ちしたり死んだりかなり濃い目のキャラを演じる和樹さんが、普通に若い青年を演じてた。

ボブはアメリカでは黒人の俳優が演じてたというので、有色人種差別にもっとリアリティがあったと思うけど、オール日本人キャストで日本で演じてると、人を信じられないのは彼の性格ってくらいの感覚に見える。

深刻なメッセージがないので、財布とかBBQグリルのあたりはちょっと息抜きで笑える感じ。

 

帰りの飛行機で奨学金を集めようと言い出すボブ、あんなに財布の心配をしていた人がすごい変わりよう。

最初スルーしてた橋本さんが、小切手に書き込んだ金額はたぶんびっくりするような額だったんだろうな。

 

7 その他印象に残った人たち。

初めのCAのみゆちゃん、アリと対面したCAとは別人かな。

ガンダーに緊急着陸することの重大さを瞬時に理解して、乗客がパニくらないように敢えて嘘を語る、彼女自身も怖かっただろうに凛として素敵だった。

 

バーで飲みすぎてテンション上がっていきなり脱いだみゆちゃんと森くみさん。

潔すぎるし、びっくりしたよ。

 

突然現れた白衣に赤い手袋の心臓外科医のイケメンズ。

無駄に色気を振りまいて、あっという間に去って行った。

何だあれは?また見に行かなくては。

 

めぐさんアネットの妄想に現れる謎のセクシー機長、加藤和樹。

色香でたらしこんでアネットに何をさせようと?

諜報部員としてドイツの機密を盗みに行かせるのかと思った。

 

初見の感想なので、次見たらまたいろいろ出てくると思います。

ワンシーンしかない場面の中にたくさんの物語が含まれていて、それをしっかり届けてくれるのはこのベテランの俳優さんたちだからこそだと思いました。

1人1人の熱量がすごくて、転換がないからどこも気を抜けなくて、同時進行でいろんな話が進んでいくし、100分なんて短いと思ってた見る前の自分にソウジャナイと伝えたいです。