一粒一粒、しっかり選別 / 選果と除梗 | 飲んで食べる、ブルゴーニュ。

飲んで食べる、ブルゴーニュ。

ブルゴーニュは、モレ・サン・ドニ村にあるワイナリーの醸造責任者が、ブルゴーニュの美味しいレストランを中心に、ブドウ栽培や、ワイン造りを紹介しています。皆様がブルゴーニュへご旅行の際に、美味しく素敵なワインと食事の参考になれば幸いです。



畑での収穫時、
収穫人は腐ったり、かびたりしたブドウを大まかに切り取って選別します。

ただ完璧ではありませんし、
収穫人それぞれの経験、判断もまちまちです。

そこで、醸造所に運び込まれたブドウは、
再度チェックを受けて、選別されます。

この選別作業は、トリアージュと呼ばれ、
特に台(ブドウが流れるようになっている)の上で選別することを、
ターブル・ド・トリなんて言ったりします。

コンベアーのように、ブドウを流しながら選別した方が、
効率いいですもんね。


 

こちらが選果台。
台の左右に人が立って、ブドウを選別します。

はさみを握りしめて、ブドウが搬入されてくるのを待ってますね。
可愛らしい。



いよいよブドウが搬入され、
台の上をぶどうが流れていきます。

 


ちなみにこの台は、振動式。
ブルブルと振動することで、ブドウもブルブルなりながら流れていきます。


 


ベテランさんは、素早く選別し、
ダメな粒を取り除いていきます。


ブドウを振動させると、
傷んだ粒や、中に潜んでいた虫が勝手に落ちていきます。

実はテントウ虫なんかは大量に潜んでおり、
振動式の選別を受けると、びっくりするくらいのテントウムシが出てきます。


どのような選果を、どの程度厳密にするか。
これも造り手の考え次第です。


選別を受けたブドウはその後、
果実を、梗(こう)と呼ばれる軸の部分から取り外します。
(除梗:じょこう、と呼ばれる作業です)

 
 

この機械がぐるぐる回ることで、実と梗が離れます。

残った梗がこちら。

 
 

除梗された果実の方は、発酵槽へと仕込まれます。

よく熟した粒が、黒々と光ってます。


 
 

この発酵槽は、除梗されたブドウで仕込まれていますが、
実は、梗をつけたまま仕込むこともあります。

もともと、ブルゴーニュの伝統的な方法としては、
除梗せずに仕込むものでした。

両者を比べれば、その違いが味わいに現れます。
造り手は、どちらがいいか、その哲学、ブドウの出来に鑑みて選択します。

すべて除梗する。
除梗せずに仕込む。
半分除梗し、半分は除梗せず仕込む。

造り手により、その選択は様々です。