皆様、こんにちは!
久我つかさです。
私は、いすみ市議会副議長でありますが、本ブログの内容はいすみ市議会としての公式見解ではなく、あくまで久我司個人の見解である事を先にお伝えさせて頂きます。
いすみ医療センターにおいて、自宅療養のコロナ患者に抗ウイルス剤「アビガン」が処方されていたことが報道されています。
私は、9月8日に『コロナに打ち勝つ最後の砦【いすみモデル】』と題し、いすみ市の自宅療養体制の構築について本ブログに書かせて頂きましたが、まさにこの内容にあたるのが、今回報道されている件であります。
いすみ市を含む夷隅地域は医療施設が少なく、また高齢化率が高い事から、感染者が増加すると医療崩壊が起きてしまう危険性が高い地域であります。
今年の夏。
日本全国で新型コロナウイルスが猛威を振るう中、緊急事態宣言中にも関らず、沢山の方がいすみ市に訪れておりました。
連日テレビから流れる都市部における感染者増加の報道を見ながら、多くの市民は不安の中で夏を過ごしていましたが、7月から9月にかけて、いすみ市おいても多くの感染が発生してしまいました。
まさに緊急事態の真っただ中。
それが、いすみ市の状況でした。
さて、結論からいいますと、高齢者が多く病院が少ない当地域において、早くから20床のコロナ病床を確保したいすみ医療センターは、地域住民の安心安全の砦として多くの患者さんを救いました。
また、早期検査、早期発見、早期治療、在宅療養者支援の体制『いすみモデル』は、わずか20床の入院受け入れをはるかに超える陽性者が発生した緊急事態の中、地域住民の命を守る為に出来る最適な方法であったのは間違いがないと、私は今でも確信しています。
9月8日のブログからの抜粋になりますが、下記が『いすみモデル』の早期治療、在宅療養者支援の体制でありました。
↓↓ここから↓↓
いすみ市を含む夷隅地域におけるコロナ病床は、「いすみ医療センター」の20床限りであり、重症者対応病床はありません。
今までは、感染者は原則入院隔離をしてきましたが、感染拡大に伴い、病床が足りなくなる可能性が高い事から、在宅療養を併用する地域システムを構築する必要が生じます。
そこで、いすみ市では、在宅療養者の医療・生活支援のため、医師会・いすみ医療センター・保健所の協力を得て、「いすみ市コロナ在宅支援センター」を設置し、在宅療養者を一元管理し、漏れの無い管理と支援により市民の命を守る体制を作りました。
支援センターの構成員は医師(非常勤)1名、保健師・事務職各1名の計3名で、下記の流れで管理と支援を行います。
①感染者は 症候・ウイルス量・変異株型・CT所見等に基づく医師の判断により、外来にて初期治療(抗ウイルス薬・抗炎症薬投与)を受けたのち在宅療養、もしくは いすみ医療センターに入院し重症化予防治療を行う。
②在宅療養者に対し、パルスオキシメーターの貸出を行うと共に、医師会と連携してオンライン診療、電話診療により健康状態を継続確認。
③在宅療養中 病状により いすみ医療センター外来にて重症化予防治療を行うと共に、増悪時にはいすみ医療センターへ入院する。
④保健所・いすみ医療センターコロナ特別検査室と連携し、感染経路調査・一斉検査による感染拡大阻止を図る。
⑤在宅療養者の感染隔離継続の為の生活支援を行う(買い物代行、個別相談等)
⑥感染拡大を防ぎ、地域の医療を守るためには、市民の理解・協力が必須であり、正確・迅速な情報提供を行う。
※初期治療、重症化予防治療は 感染早期でないと効果が薄い事から、市における感染状況の「見える化」(地域別・年代別・時系列による感染状況等)により感染回避行動への誘導等を行う。
↑↑ここまで↑↑
今回問題になったのは、上記抜粋中①の(抗ウイルス薬)が、厚生労働省の通知により、本来自宅療養者に処方されてはいけないとされていたアビガンであった事であります。
報道によりますと、アビガンは、研究名目で患者の同意を前提に入院患者に限って使用を認められているが、今回は災害級の医療逼迫の中、保健所長、医師会の医師らを含む対策会議を経てアビガンの入手が決まったとの事です。
自宅療養者のアビガン使用可否に関しては、私は医師でも薬剤師でもなく、報道以上の内容をお伝えする事はできません。
しかし、不適切だという報道により市民も不安を感じている為、いすみ医療センターからの説明が必要だと考えていたところ、早速7日に会見が開かれ、説明がなされました。
伴俊明病院長や平井医師から
「問題のある処方で不適切だったが、感染が拡大する中、やむをえなかった」
「当時、感染の第5波を受け入院できない患者があふれる状態で、保健所やいすみ市と協議をした上で、緊急避難的に判断した。」
「厚労省との事前調整をしなかった責任はある」
「患者にはリスクを事前に説明し同意を得ていた」
というような説明がされています。
治療の結果、新型コロナウイルスによる死者は無く、抗ウイルス薬投与による健康被害は発生していないとの事です。
今後、病院と厚生労働省とのやり取りが進むと思いますが、正すべきところは正し、その上で地域医療の要であるいすみ医療センターの業務を停滞させることが無いように働きかけをして参ります。
また、いすみ医療センターは、いすみ市、大多喜町、御宿町の1市2町による国保国吉病院組合が運営する公立病院であり、管理者はいすみ市長、副管理者は大多喜町長、御宿町長、そして各市町の議員数名による国保国吉病院組合議会が構成されておりますので、管理者は国保国吉病院組合議会への説明をする事が必要でしょう。
そしていすみ市議会においても、当然ながら説明を聞く必要があります。
今後、議長と話し合いながら、説明の場を作るように進めて参ります。
いずれにしても、一番大切なのは市民、地域住民の命を守る事。第6波の懸念が迫る中、医療体制を守る事を第一に考え行動して参ります。
・・・ここからは、私の個人的な想いです。
いすみ医療センターの院長はじめ医師、医療従事者の皆様、夷隅地域の医師、医療従事者の皆様におかれましては、誰も経験したことのない緊急事態の中、多くの問題や意見の食い違い等あって大変だった事と思います。また、コロナ患者を受け入れるだけではなく、重圧の中、通常の医療業務もこなして下さり、多くの命と健康を守って下さいました。
言葉ではあらわせない感謝でいっぱいです。本当にありがとうございます。
どうかこれからも地域住民の命と健康を守って下さい。
また、アドバイザーの平井医師は、私も面識があり、本当に熱心に感染防止、治療にあたられておりました。
診察を受けた方、入院をされた患者さんで感謝をしている方も多い事と思います。
また、平井先生は昨年2020年から積極的に感染拡大防止に取り組んでおり、コロナ禍で疲弊する地域を守るために商工会で感染拡大防止の講義をしたり、いすみ市において地域活性の中心に位置づけられる「大原漁港・港の朝市」開催の指導にあたり、実際に現場でも陣頭指揮をとるなど多くの活動を進めておりました。
平井先生に直接接し、平井先生の指導に対して感謝をしている方も非常に多いのではないでしょうか。
私自身も、本当に感謝しています。市民の命を守って下さり、本当にありがとうございました。
私事ではありますが、ここ1年ほどの間、父の長期入院、そして私自身ケガでの入院、通院、10月の交通事故による入院、通院など、かなりの時間を医療機関で過ごしてきましたが、コロナ禍で医療従事者の方は本当に苦労をされているのを見てきました。
また、あまり人に話してはいませんが、私の親類の一人は新型コロナウイルスで亡くなっています。
千葉県の人ではありませんが、もし感染した時にいすみ市にいて、いすみモデルがあったとしたら。
・・・もしもの話ですが、助かっていた気がしてなりません。
お医者さん、医療従事者の皆様は、私たちの命と健康を守ってくれています。
病気やケガで苦しんでいる時、最後に頼るのはお医者さん、医療従事者の皆様。
だからこそ私は、責めるのではなく、お医者さんや医療従事者の皆様を守りたい。
過ちがあれば指摘し反省、改善を求めるのは当然だが、
責めるのではなく、守りたい。
私の率直な想いです。
市民の皆様におかれましては、
いすみ医療センターと平井医師は、
一番大切なのは市民、地域住民の命を守る事。
という幹の部分、本質の部分をしっかりと認識しての行動であった事をご理解頂ければと思います。
新型コロナウイルスとの戦いも終盤を迎えようとしています。
市民の皆様、いすみ医療センター、医師、医療従事者、保健所、市役所、みんなで力を合わせて
「コロナに打ち勝ちましょう!」