楽しくない | エルコのブログ ~ドイツはライン川のほとりで~

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ドイツはライン川の近くに住むエルコが、日常の風景をお届けします

買い物が楽しくない

 

そう呟いたら、夫に「今までだって、買い物好きじゃなかったじゃない」と笑われました。

 

いや、まぁ、そうなんですけどね。

 

私が買い物に行く時は目的のものがあって行くので、最短・最速で終わるようにします。

買い物の途中で思い出した必要なものは買いますが、「何か目新しいものはないかなぁ」と店の中をブラブラすることはありません。

初めてのお店では、どこに何があるか分からないので仕方ないですが、勝手知ったるお店では目的のものに直行。

何気なくプラプラお店の中を歩いていても、最初は良いのですが15分近く経つと段々イライラしてきてしまうのです。

もう、帰りたくて仕方ない。

なのでモールとかでいろんなお店をはしごしたりとか、無理!

 

そんな感じなので、確かにもともと買い物が楽しいと思ってなかったんですけど、今回の呟きはそういうことではなくて、値段の話。

アホみたいに値上げ、値上げ、値上げ。

 

2月末はまだそこまで影響が出ていませんでしたが、3月に入ってからじわじわと上がり続け、今では殆どの物が平均で最低でも50セントの増。

野菜や果物などは季節によって値段が変動しますから、今までと比べてどうとは言えませんが、それでも定価は上がっていて、例えばリンゴは2.99ユーロ/kgだったのが、今では4.29/kgとなっていたりします。

 

毎週日曜日に入る広告を、隅から隅まで舐めるように見て、必要なものを店ごとにメモしています。

でも、最近では広告の品で安くなった!と思っても、前回の安売りの値段と比べて20セント高くなってるとか、物凄くシビアな目で見るようになってしまいました。

今までだったら広告に上がる値段はほぼ毎回同じだったのに、ほんの2か月程度で20セント増しとか、数10セント上がったりはザラ。

 

果物は毎日夫と娘がお弁当に持っていくので、毎日4種類を目標に入れています。

1種類は日替わりになるようにしているので、果物は常に切らさないように目を光らせていなければなりません。

野菜スティックも毎日持っていくので(こちらは毎日一緒)、キュウリ、ニンジン、赤パプリカ、トマトの値段もチェック。

売り場とレジで値段が違うということが、最近は頻繁に起こりますので(この場合、レジの金額が正しいんだそう)、時々物凄く悔しい思いをします。

 

そうした日々の努力で、何とか値上がり前の出費と同じくらいにできていますが、そういう心配に疲れてきました。

幸い、数セントを切り詰めなければならないという状況にはなっていませんが、それでも無駄な出費は抑えたい。

日々の食生活に欠かせない肉・野菜・果物は減らしたくないので、毎日広告とにらめっこ。

お菓子やジュースなどは少ししか買いませんし、お酒もたばこもやらないので、特に切り詰めるということはしていないんですけど、それでもこの先の見えない状況に鬱々とする日々。

 

下のおばさんも言っていました。

パン屋さんでパンを買わなくなった…と。

 

下のおじさんが朝早く起きたので、散歩がてらパン屋さんまで行ってきたそうです。

そして愛するおばさんのためにクロワッサンを買ってきてくれたそうなんですが、その値段が1ユーロ越え。今までは90セントくらいだったんですけど、値上がり。

下のおうちはかなり余裕のある感じなんですけど、それでも家計を預かる下のおばさんにしてみたら、クロワッサン1つにその値段は払いたくないそうです。

 

クロワッサンを諦めるのではなく、ディスカウントスーパーで一つ40セントほどで売られているので、それで十分とのこと。

値段が3倍でも、味も3倍良いというわけではありませんから、ディスカウントスーパーので良い。

味も普通に美味しいですしね。

 

買えないわけではなく、物の価値と値段にシビアになってきているんです、みんな。

おばさんの家では、おじさんも息子さんもパンにバターを付けないそうで、付けるのはおばさんのみ。

そうすると、減る量も少ないし買う頻度も高くないので、バターの代替品ではなくちゃんとしたバターを買うと言っていました。

その気持ちも良く分かります。

 

それでも、そのバターの値段が今までの5割増しくらいになってしまっているので、買い物が楽しくない!となるわけです。

 

新鮮な野菜を求めてスーパーに行っても、値段の高騰で買う人が減ったせいかいつまでも古いものが棚に並んでいる。

でも、値段は同じ。

しなびたものに高いお金を払いたくないから買わない。するともっとしなびたものしか並ばないことになり、悪循環。

 

それはオーガニック製品が顕著。

コロナの時は、多くの人が健康に良さそうなもの、質の良いものを求める傾向にありましたので、オーガニック製品は好調でした。

しかし一転、今ではオーガニックに手が出せない人、(価値と金額を計って)買うのを止めた人が増え、オーガニックの生鮮コーナーはどんよりしています。

 

下のおばさんとそんな話をしてて、おばさんは「果物も野菜も、みんなしなしなだから買うのを控えてる」と言ってました。

だから缶詰とか瓶詰を買うんだそうですが、それは新鮮な果物や野菜の代わりにはならないのではないか???

安売りの品を求めて行けば新鮮な野菜や果物は手に入りますから、まぁ、おばさんのお話はちょっと極端だとしても、買い物が楽しくないのは変えようがありません。

 

期限が付いている値上げならまだ持ち堪えられると思うんですけど、値上げはこれからも続きますし、それがいつまでとは言えないので、先行き不安からこんな気持ちになっています。