肩身が狭い | エルコのブログ ~ドイツはライン川のほとりで~

エルコのブログ ~ドイツはライン川のほとりで~

ドイツはライン川の近くに住むエルコが、日常の風景をお届けします

ドイツで専業主婦って、肩身が狭いと感じてしまいます。

 

例えばいつもの普通の酷い風邪で診て貰っても、病欠扱いの書類はいりますか?と聞かれますし、様々な場面で職業を聞かれます。
その度に、書類だったらその欄に横線をピッと引いたり、対面んだったら「働いていません」と言わなければなりませんので、その度にバツの悪さを感じます。
 
専業主婦が悪いとかそういう言われ方をしたことはありませんが、その度に人に「え?」という顔をされ、責められているように感じてしまいます。
私がそう思っているだけなのかもしれませんけども。
 
自営業として働いていた時にも病欠扱いを聞かれましたが、病欠の書類なんていりません。自分自身にその書類を出しても何にもなりませんからね。
ですがその時には胸を張って「自営業なもので」と言えましたし、それで相手の表情に何かを感じることはありませんでした。
 
子供の幼稚園で他のお母さんと話す時にも仕事の話になりますし、働いていないというとやっぱり「何で?」というような雰囲気になります。
 
でもねぇ、私達夫婦は、それで良いと思っているんですよ。
娘のために。
 
私がずっと家にいることで、毎朝同じ時間に幼稚園に行くことができますし、お迎えの時間もいつも同じ。
その後の家での過ごし方もいつも同じなので、生活パターンが作りやすいんです。
だから娘は夜7時にはベッドに行くことができますし、朝は6時にすんなり起きることもできます。
しっかり寝てるから、午後に眠くなってぐずるとかそういうこともありませんでしたし、昼寝をしてしまって夜眠れないということもありません。
 
 

娘を迎えに行ってから公園に行くこともできますから、幼稚園に行っていても娘と関わる時間は十分にあります。

日本ほど酷くないとはいえ、午後5時に迎えに行って、それからご飯の支度だの何だので子供のための時間が無くなることはありません。
こちらの人たちは、早く寝かさなきゃとかそういう意識が低いようですし、自分たち親の生活も大切だと思っていますから、規則正しい生活というのは目指していないように思います。
 
送っていく親の仕事の時間が毎日違うから、幼稚園に来る時間もバラバラ。
昨日は7時に来て、今日は9時ギリギリで、明日は8時15分に来る、そんな感じ。
迎えの時間も仕事の終わる時間が違うので、これまたバラバラ。
早く迎えに来られる日は迎えの時間が始まってすぐに来て、遅くなる日は幼稚園が閉まる時間ギリギリ。
これじゃぁ子供も予定を立てるというか、いつまでに何をしてとか、出発の時間までに準備を終えるとか、そういうのも難しいのではなかろうか。
 
迎えに行くのが遅い日に子供との時間を取ろうとすれば、それだけベッドに入る時間が遅くなりますし、その日その日で寝る時間もバラバラだったら、規則正しい生活っていうのも難しい気がします。
 
躾にしてもそう。
子供といる時間が短いから、その間くらい優しいお母さん/お父さんでいたい、だから叱ったりとかせず楽しく遊ぼう…と親が思っているというのは私の感想でしかありませんが、時間が短い分悪いことを見る機会も少ないわけですから、そもそも叱る必要がないのかもしれない。
 
だから…と決めつけるわけではありませんが、娘がその分苦労する羽目になります。
まぁ、上げたらキリがないくらい、色々なことが起きます。
 
仕事に行かないことで時間があるので、娘を車でビューンと送っていくこともあまりありません。
車だと2分で着いてしまいますが、娘と歩いていくと何だかんだで30分かかります。
自転車だと15~20分くらい。
その間に交通ルールを教えたり、どこに気を付けるべきかを説明したり、人が来たら避けなさいとかそいういう躾をすることもできます。
帰りには遊びながら帰ってくることもできますし、キックスクーターや自転車の練習を行き帰りの道でできますし、そういう子供にとってのメリットの方が多いと思います。
 
働くことは、母親の自尊心にも繋がりますし、経済的にも助かりますし良いことだと思います。
でも、私たちの目的はそうではなく、子供が自立して生活できるようになることなので、心身の成長の手助けをするのが私の仕事。
自分の仕事に遅れそうだからと、洋服を着せたり靴を履かせたりすることはなく、(イライラはするけど)自分でやらせる時間がありますし待つ時間もあります。(もう一度言おう、イライラはする!)
 
だから、働いていないからと言って奇異の目を向けないで欲しいのです。
働けないかわいそうな人だとか、怠け者だとか思わないで欲しいのです。
 
直接言われたことはありませんが、ひしひしと感じるんですよ。
働いている人は偉いっていうような感じを。
 
ひと世代前ですからね、専業主婦がいたのは。
だから珍しいのは分かります。
絶滅危惧種です、温かく見守ってください