言いたい気持ちはわかるけど… | エルコのブログ ~ドイツはライン川のほとりで~

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ドイツはライン川の近くに住むエルコが、日常の風景をお届けします

幼稚園の保護者の連絡ネットワークに入っているのですが(私は一切返信しないけど)、保護者と幼稚園との間に入って色々とやってくれる人から「幼稚園で会議があります。話合って欲しい議題のある人は言って下さい」という内容のメッセージが届きました。

 

幼稚園で出るお昼ごはんのキャンセルが当日だとできないので、それを改善して欲しいという投稿がありました。

子供はいつ病気になって欠席するか分かりませんから、前日にお昼のキャンセルをすることはできませんので、やっぱり当日の朝になってしまいますよね。2,68ユーロという、一回なら僅かなお金ですけど、それが何日も続いたらやっぱり結構な額になりますから、子供の体調などを見つつ決断したい気持ちはよーーーく分かります。

 

次にあった内容にちょっとモヤモヤするんです。

「私の小さなレオが最初の朝ごはんの時、お隣の子からブドウを取りました。だけどこのブドウ、丸ごと一つだったんです。幼児の死因のトップは窒息死で、ブドウ、ブルーベリー、レーズンなどは表面がツルツルしていて喉に詰まった時に取り出せないので、6歳までは最低でも半分にするか4分の1にカットするかを徹底するようにしてもらえませんか?」という内容でした。

このレオ君、1歳半くらいです。

 

分かります、分かりますよ。

窒息したら大変ですもんね。

 

でも……

 

何なんでしょう、言い方に難あり…って気もしなくはないんですよねぇ。

 

まず、小さなレオ君に、小さい内から丸ごと口に入れないように“家で”指導していく必要があるんじゃないでしょうか?

うちは離乳食が終わった頃からブドウとか色々食べてましたけど、私の目は常に娘の方に向いていましたし、あげる時や自分で口に入れる時には必ず「かじってね」と言い続けました。下のおじさんの所でブルーベリーとかも貰ってましたけど、おじさんも娘が口に入れる時にはいつも「abbeißen」(嚙みちぎってね)と言って与えてくれました。ついつい、ひょいと口に入れようものならすかさず私、夫、おじさんの3人からほぼ同時にabbeißen!!と言われていました。

やらなくなった今でも、やっぱり心配からこう言ってしまうんですが、娘は「分かってるよ、やらないよ」と言いますし、ちゃんとかじってます。

それでも全くやらないわけじゃないので、極たまにでもやった時には「喉に詰まったら息ができないんだよ。息ができないとすごく苦しくて、最悪だと死んじゃうんだよ。死んじゃうと言うのは、もうブルーベリーも食べられないってこと。お父さんにも会えないし、おじーちゃん・おばーちゃんとも遊べない。真っ暗な中に一人でいて、誰も返事をしてくれないんだよ」と、分かっても分からなくても言います。

 

これ、常に目と意識を娘に向けていなければなりませんし、何かあってもすぐに対処できるようにアドレナリン出しっぱなしの戦闘モードみたいな感じで、ものすごくしんどいです。

 

その他、口にものを入れた状態で立ち歩かない、上を向いて食べない、などなど、日々注意することが満載で、食事の時間が親子双方にとって憂鬱な時間です。(娘は憂鬱なのか分からないけど。やらなきゃ言われないのに!っていつも思う)

でも、私だって娘に死んで欲しくありませんから、命に関わるようなことなのでかなり厳しめに言うんです。

1歳くらいから普通の食事にしましたから、かれこれ2年半くらい毎日朝晩2回の食事で注意しているわけです。

 

このメッセージを読んでからすぐ、お弁当に入れていたブドウを半分に切りましたけど(私のせいになりたくない)、なんか、そういう躾を周りに丸投げしてるよなぁとモヤモヤモヤモヤ…するんです。

 

そもそも、他の子のお弁当の中身を取るのって、どうなの?

小さいから分からない?でも、他の子のを取らないようにって親は言ってるのかしら?

ブドウを丸ごと口に入れたってことは、かじることを教えていないのかしら?(すぐにできないのは分かってますよ、経験者ですもん)

保護者の目の届かないところで何かあっては大変だから、先生たちにもっと目を配ってくれって言いたいのは分かりますけど、先生だってあなたのお子さんに付きっ切りになるわけにはいかないんですよ。

小さい子は他にもいるから。

 

うちの子のグループは1歳くらいから3歳過ぎまで混ざったクラスです。

4歳以上のクラスはそんな小さな子はいないのですが、この人の言い方を借りれば、6歳までですからその上のクラスでも小さく切り刻んだものを持って行けってことですかね?

丸のまま持って行かせてる私だって、不安はありますよ。私が見ていないわけですし、先生たちの目がない瞬間もあるかもしれないって。

だからそういう不安を取り除くために、半分にする意味は分かります。

だけど、そこまで一生懸命躾をしてきたわけですよ。

人の物を取らない、嚙み切ってから食べるって。来る日も来る日もしつこいくらい。

そうやって成長して、ある程度安心できるようになって、それで送り出しているわけです。

大きな子はそのままがぶっといきたい時もあるでしょう。

私には「私のレオも食べるかもしれないんだから、そういう危険は取り除いてね」って受け取れてしまうんです。

娘に聞いたら、レオにブドウを取られたこともあげた事もないそうですが、他のうちの子も丸のまま持ってきていたならその子の成長に合わせて用意してると思うんです。娘だって、切らないでって言う時もあれば半分にしてと言う時もあるので、その子の希望を聞いて入れてる場合もあると思います。

そこまでの成長に付き合ってきてるわけですから、何が危険でどうしなきゃいけないって言うのも全て織り込み済みで用意してると思います。

それを、そんなことも知らない親たちのために、私が教えてあげるわ的な言い方で言われても困ります。

その件に対して誰からの返信もありませんでしたが…。

 

娘は納豆巻きが大好きで、毎日持って行きます。

小さい時、娘も海苔が噛み切れませんでした。

納豆巻きの大きさは、細巻きを8つに切っているので詰まる可能性は否定できません。

これに興味を持った他の子たちが食べたら、初めての食感の湿気った海苔に驚く事でしょう。

大きい子でも詰まらせるかもしれません。

この時期の果物の柿。ちょっと硬めの物なら平気ですけど、ちょっと柔らかくなって甘さの増した柿だとそれこそツルっとしています。

そういう物こそ大きめに切って、一口に入れられないようにしていますけど、それをレオ君が取っちゃったら柿も禁止になるんでしょうか。

挙げ出したらキリがないくらい、危険な食べ物があります。

だけど、それら全部を取り除いて、小さな子に合わせるなんて無理な話です。

そこで重要になってくるのが、家庭での躾だと思うんです。

うちの子はまだ小さいから分からないって言うんなら、グループを変えてくれ!とさえ思います。

折角日々練習してここまで来たのに、小さい子に合わせてまた振出しに戻るなんて嫌ですもん。

グループが変えられないなら、自分の子も含む皆の分のお弁当を作って下さいと言いたい。

それもできないというなら、幼稚園に来させるのではなく、自分の家できっちり躾て下さいと言いたい。

働かなきゃいけないから、預けなきゃいけない。知ったこっちゃありません。

だったら、他人の家に口出ししないで下さいって話です。

 

日本でも、幼稚園のお弁当にピックを入れるなとかあるそうですね。

口に入れたままだと危ないからとか。

そうやってすべてを禁止または取り除いて行った先に、何が待ち受けているんでしょう。

6歳まで小さいものを与え続けて、噛み切ることを教えずにいて、6歳になったら「はい、できるでしょう!」と言うんでしょうか。

三輪車やペダル無し自転車での練習なしで、いきなり自転車に乗れって言っても乗れないのと同じです。

段階を追って指導・練習していかなくては、できるようになんてなりません。

でも、その指導を自分たちではやらない、周りの子がうちの子に合わせてくれっていう…

 

こっちは胃と精神をやられながらも、毎日忍耐を持って導いていってるのに