都市型農業実態調査から経営方針策定ツールの提案(1) | 農業/飲食/食品マーケティング実行支援 久保 正英の戯言

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農業・飲食・食品の売上を上げるお手伝い(食関連企業252社会員組織 (一社)エコ食品健究会 代表理事のブログ)

■はじめに

 日本の農業の現状をあらゆる統計データで、どのような角度から眺めてみましても日本の農業の未来を不安視してしまうものしか見つからない現状です。例えば農業構造動態調査(H26 農林水産省)では、平成26年農業就業人口は226.6万人と報告されています。そのうち基幹的農業従事者は167.9万人であり、平成21年では191.4万人であったことを考えると減少に歯止めが掛からない状況です。また基幹的農業従事者のうち105.6万人(約62.9%)が65歳以上であること、更には働き盛りの39歳以下が、たったの9万人(約8.5%)を下回る現状は、一人の中小企業診断士として、農業の未来を見過ごせない気持ちでいっぱいです。


一方農業経営の視点で農業構造動態調査を見て行きますと、農業経営体という指標が気になるところです。現在全国で151万4100社となっています。この数字は経済産業省 商工業実態基本調査にある製造業約66万社、小売業約110万社、飲食業約40万社と比べて見るとわかるのですが、非常に社数が多い印象です。過当競争が激化している小売業ですら約110万社なのです。私はコモディティの代表になってしまった露地野菜等の農作物を扱う農家の将来が不安で仕方がありません。なぜなら過当競争側の小売業から益々低価格要求が強まり、経営業績の悪化が危惧されるからです。更には農業経営体の中の家族経営体の約60%の方が年間100万円以下しか売上を獲得していないということも気になるところです。つまり、農作物の販売収入だけでは生きていくことが困難なことが容易に予想できます。


逆境にある農家が農業収入だけでは生きていけないことを今一度理解し、その事実を逆手に捉え、政策が用意する6次産業化や農商工連携の波を上手く活用してもらいたいという想いで論述するものです。農作物の栽培と販売だけでなく、農関連イベントや加工品の製造並びに販売に活路を見出すことで、必ずや業績が改善するものと信じています。


また、次代を担う39歳以下の方々の農業経営が順調に成長しなければ、農業という業界を職業選択の1つとして選ぶ方々が増える(新規就農者)ことは無いと思います。更には62.9%を占める65歳以上の方々のリタイア後の日本の農業を支えるのも、39歳以下の働き盛りの若手農業経営者です。そのような視点から39歳以下の就農者の現状に着眼し、1人でも多くの支援者が活用できる『モノサシ』を提供できればと考えています。


多くの関係団体や生産者同志の紹介を基に4年に渡り支援し、神奈川県相模原市、秦野市、藤沢市、鎌倉市、東京都八王子市、町田市で営農する42人の39歳以下の生産者(露地野菜)の実態に焦点を当て、その結果を可能な限り公表しながら提言を進めていくことになります。




■農業収支と各指標の関係性

 下のグラフは42人の生産者の就業状態と農業収支(*1)の関係です。



農業収支は単純平均値(以後全て)です。専業農家は苦戦している状況がうかがえます。一方、兼業農家の収支は専業に比べると良好です。これは兼業という下地から、専業に比べ多様な収入形態を持つことに『慣れている』ことが背景にあるとヒアリング等から理解しました。具体的には農業とは別の仕事で出会った関係性を上手く活用し、農作物の販売に繋げている模様です。



*1)図1にある青色申告決算書(農業所得用)の右上の差引金額(収入総額-経費総額)

つづく

データ出所)一般社団法人エコ食品健究会(URL



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