![](https://stat.ameba.jp/user_images/20190314/23/kuanadejuja/91/74/j/o1080060714372283071.jpg?caw=800)
『室町無頼(上・下)』垣根涼介(新潮文庫)
出た当初の販促も凄かったし、帯の煽りも凄いです。
こんなハードル上がった状態で大丈夫か?
主人公は才蔵クン。
生まれはともかく、天涯孤独になったしまった少年が、それなりに頑張って生きてたら個人戦闘力が高くなってて、変な奴らに見込まれて、天下劇の片隅で大活躍する羽目になります。
変な奴らとは、骨川道賢と蓮田兵衛の2名。
二人とも教科書に載ってるのかしら?如何せんワタシは義務教育以外で日本史を習ってない(高校での履修はアリバイ作り程度の量)なので分かりません。けど帯裏によると、ガッツリシッカリと史書に明記されてる人物たち。もちろん所謂「トリックスター」。
時代が微妙なので、「誰でも知ってるスーパースター」は出てきません。伊勢さんちは出るけど、若早雲がサービス出演も無しです。
読み終わってみれば、登場人物の少なさにビックリで、主要人物の顔が良く分かります。
澤田ふじ子さんの『深重の橋』なんかは、商人Bみたいなキャラが史実実在キャラだったりしたけど、本作はスッキリして分かりやすい。
ヒロイン?ポジションの遊女の芳王子。生い立ちまでやってくれたから、安いミステリアス・クールビューティーにならずに良かった。いや、案外感情移入もできるかも。
そういえば、彼女の他にはロクな女性キャラが居なかったな。彼女の師匠ぐらい。
変に女性キャラを増やしてりしなかったのも好感。最近の傾向だと、才蔵クンと同世代の娘とか配置しがちだから。
史実としてのドタバタはよく知らないけど、この時代の京では、何をやっても失敗・敗北が確定してるから、その着地が注目点。
その辺も雑じゃなくて良かった。
とはいえワタシには、あんまりモエ展開は無かったかな。
絵面も良かったんだけどね。
やはり煽りが強すぎたかな。