ブラック・クランズマン | Every Little Step (新)

Every Little Step (新)

りおうさんの更なる進化を求めて。

ブラック・ クランズマン(原題:BLACKKKLANSMAN)
2018年アメリカ 日本公開2019年3月
監督スパイク・リー
ジョン・デヴィッド・ワシントン/アダム・ドライヴァー/トファー・グレイス/ローラ・ハリアー
画像
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【雑感その1】
んー、まあまあだった。
最後までしっかり見てれば、おもしろかったかなと思えるけど
見ている最中はもどかしさがあった。

もっとコメディ寄りなのかと思っていたんだけど
予想外にゴリゴリの刑事モノだったので
それで出鼻をくじかれた感じがありました。
ところどころフッと笑えるところはありましたが
コメディかといわれるとそれは違う気がする。

KKKという団体、聞いたことあると思いますが
クー・クラックス・クランといいまして、白人至上主義団体なんですね。
このKKKに黒人警官が潜入するという内容。
実話に基づいた原作がありまして、それがこの映画の発端になっていますが
内容は現代にも受け入れやすく、そして差別というものをもっともっと
わかってもらおうということで
かなり脚色してあるようです。
なので、そこはそんなに軽く流しちゃうんだ?とか
ちょっとそこは都合よすぎない?とかありますが
そうすることでテンポ良くなるならいいかなという感じです。

時代が70年代後半~なので
映像の色見もその時代の映画っぽいし
音楽もあえてそうしてると思われるし
古い映画が好きなわしにとってはそこは興味を持って見れました。
内容は全然違うんだけど
シドニー・ポワチエ主演の『夜の大捜査線』を彷彿させるよなぁ
なんて思いながら見ていました。


【あらすじ】
1979年コロラドスプリングスで初の黒人警官となったロン。
白人警官から冷遇されながらつまらない事務仕事ばかり。
自分は潜入捜査がしたいと、上司に持ちかける。
ある日新聞でKKKの新しい構成員募集の記事を見た彼は
KKKのメンバー募集に応募する。



【キャスト】
ロン・ストールワース役にジョン・デヴィッド・ワシントン。
デンゼル・ワシントンの息子さんであります。
ロンという人は実在する人物でして、上にも書きましたが原作というのはこの方が
書かれたものであります。
演じるジョン・デヴィット・ワシントンはなかなか個性的で
好感もてました。
あと髪の毛触りたい。

フリップ・ジマーマン役にアダム・ドライヴァー。
こういう顔(つまり長い)ダメなんだよね…。
スターウォーズとか見ないので今まで出演作は見たことがなかった。
でも演技はなかなかいいなぁと思いました。
雰囲気のある人でした。
声も低くて渋かった。
ていうか、ロンもフリップも、話し方は違うし声も違うんだから
気づかれそうなもんだけどなぁ…。

パトリス役にローラ・ハリアー。
めちゃくちゃスタイルいいなーと思ってたらやはりモデルさんだった。
スパイダーマンに出演してたときより断然今回の方がかわいいし
全体的にもすごくよかった。
そして、髪の毛触りたい。

KKKの最高幹部デーヴィット・デューク役にトファー・グレイス。
どっかでみた顔だよなぁと思ってたらヴェノムだった!
(トビーマグガイア版スパイダーマン3参照)
色んな作品に出ているけれどイマイチ存在感を発揮しきれていない気が。
でも今回は演じるのも難しい役どころだったろうなぁと思った。

支部長ウォルター役にライアン・エッゴールド。
そんなめちゃくちゃ悪い役ではないんだけど
個人的に一番不気味に感じた人。
表情とか目とかが氷のように思えた。
一番印象に残った方です。

フェリックス役にヤスペル・ペーコネン。
ちょっと嫌な役でした。
こちらも演じるのに躊躇しそう。
なんとなくサイモン・ペグに似てた。

役名がわからないんですが
スティーブ・ブシェミにめちゃそっくりな人が出てる!なんと弟だった!
っていう声をあちこちで聞いて楽しみにしてたんですが
すぐわかった(笑)
まじでそっくり。
名前はマイケル・ブシェミ。
スティーブ・ブシェミを、気持ちマイルドにした感じかなぁ。
言わなくても絶対あ、この人だ!とわかる。
最初の方はもうちょっと出番ありそうな感じだったのになぁ。
後半あんまり目立たなかった残念。

あと、アレック・ボールドウィン。
アリー/スター誕生のときもだけど
カメオ出演的な感じ、多くね?
アレックを探せ!みたいな。


【雑感その2】
後半の展開はおもしろかったので
結構集中して見れました。
KKKと黒人側のそれぞれの集会の様子が
交互に映し出されるんですけど それがなんとも
お互い様なんだよなぁと思えてしまったり…。

とりあえず終わり方がすごくて
あの終わり方は人、それぞれ捉えかたがあるとは思うけれど
わしは〝終わらない〟〝なくならない〟んだなと思わされました。
何がって?差別が。
見たらわかるけれど結局今現在も、ああやって事件は起きているし
続いているんだなと。
ラストの実写の場面では思わずほろりと涙がこぼれてしまいました。
目には目をじゃないけど、やられたらやりかえすんだろうし
自分の親や友人たちのために復讐、また復讐。
最後はズドンと重かったですね。
前見たグリーンブックとは違う、差別の重さ。
でも白人だけを批判してるわけじゃないっていうのも感じました。
最後あのムカつく嫌な刑事も、ね、あそこはよかったね。
黒人だけじゃなくて、白人もそう思ってたんだよね
ちゃんとそういうのを見ていてくれてるってのがね、わかってくれてるというのが
伝わってきてよかったかなと。

地理的なことがわかってればよかったのかなとも思う。
これはどんな作品にでも言えることだけども。
社会派ドラマだし
差別とか地域差があると思うし。
差別に限らずその土地の持つ背景とかがわかるとより一層理解は高まるのではないかなと。

内容が内容だけに
役者さんは精神的にきつそうなぁと思ってましたが
やはりトファー・グレイスは数週間も深刻な欝状態になったんだとか。
そりゃそうだろうなと思う。
それでもやってのけるってすごいと思いますけどね。
全体的な印象としては男性的な映画かなぁと思いました。
なんとなく。
深い意味はない。

2019-⑧